壊れた本の一冊目。
□壊れた本の六ページ目。
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貴女「―!!」
―ガッ、ドゴォオンッ!!
「仕返しだァ!!ギャヒャヒャ!!」
腹に敵の足がめり込む感触を感じつつ建物の壁を突き抜けて吹っ飛んだ。
感じるのは激痛と吐血感。
耐え切れなくなった自分は血を吐いてしまい、吹っ飛んだ先で膝をついて口元を抑えた。
貴女「ゲホッ、ゲホッ…。っくそ、油断した…。」
ゆらりと立ち上がった後、吹っ飛ばされた時に出来た穴を潜って神田の元へ急いだ。
―彼処にアレンがいるかもしれない、と言う期待と不安を抱きながら。
―――――
アレン「――そっちのトマがAKUMAだ、神田!!!」
――ブンッ、ドンッ!!
神田「――っぐ!」
「ヒャヒャヒャ!!!」
アレン「かっ――神田!!」
貴女「神田………!!!」
アレン「ね、姉さん…!無事だったんですね。」
貴女「それより、神田が…。」
神田「テメェ…いつの間に…っ」
「へへへ、御前と合流した時からだよ!黄色いゴーレムを潰した時、一緒にあのトマって奴も見つけたんだ。」
貴女「解った…彼奴の皮膚は写し紙…左右対象と違い、能力も真似する事ができる…。僕の真似が出来なかったのは具現化だったからか…。」
――ザシュッ!!
「ケケケケッ!!」
貴女「神田!!」
切られても尚、立ち続ける神田を見て絶句するアレンを他所に悲痛な声を出した。
見るに耐えられない、このままだと本当に死んでしまう。
そう察知した自分は急いで神田の元へ行こうとした―が。
アレン「駄目です、姉さん…これは神田の問題なんです。」
それを―アレンが阻んだ。唯一の肉親である姉の腕を掴んで。