HUNTER×HUNTER

□episode36
1ページ/8ページ

朝、携帯に着信。
瑠奈は着信音に起こされ少々不機嫌ながらも出た。

『はい…』

「ああ、俺だよ瑠奈姉ぇ」

『どうしたの?』

「明日、俺らはキメラアントの王を叩きに行く、瑠奈姉ぇに頼みがある」

『何?』

「怪我人のフォローをしてもらいたい」

『怪我人が出るのが前提なのね…』

「仕方ねぇよ、相手がアレじゃな」

『その仕事、受けるよ』

「今から地図送るから来てくれ、明日の打ち合わせをしたい」

そう言うと電話は切れた。
瑠奈は溜息をつきながらベッドから出て着替えをする。
そのタイミングでイルミが食事から帰ってきた。

「何処か行くの?」

『うん、ちょっと大掛かりな任務に』

「じゃあオレも今日は仕事しよう」

『いつ帰るかはまだ分からない、もしかしたら結構時間掛かるかも』

瑠奈は刀を腰に下げ髪を結ってイルミを見た。

「どのくらい?」

『…アリと決着がつくまでは帰れない』

「瑠奈…?何か悲しそうな顔だね?」

『私にとって死んで欲しくない人も死ぬからちょっとね…』

瑠奈はそれだけ言うと携帯に送られてきた地図で消えた。

「また塞ぎ込まなきゃ良いけど…」

イルミはぼそっと呟き部屋を出て行った。
瑠奈はそのままキルアが書いた地図の所へ飛んできたが誰もいない。

『ん?ここ…だよね?』

瑠奈がキョロキョロしてると地面が抜けた。
瑠奈が入ったのはノブの念の部屋の中。

「よ!瑠奈姉ぇ」

『いきなり地面が抜けたからビックリしたわよ…』

「悪かったよ!」

「瑠奈さんも?」

『あらゴンくん、久しぶり』

瑠奈は取り敢えずその場に座ったがふと思った。
ゼノの念を見てみたい、そう思った。

「瑠奈姉ぇは俺らのチームな」

『ん?なんの話?』

「俺らは護衛軍のピトーって奴の相手だよ、ゴンが聞かなくてな」

瑠奈は考えた。
ピトーには死んで欲しくないと。
あの子は良い子だ。
瑠奈は悩む。

『んー…良いけどさ、ここの中の誰かが怪我をしたら直ぐに治して戦闘始めないとじゃない?』

「言われてみれば確かに…」

キルアが考え込む。
するとナックルが口を挟む。

「そいつにはどんな能力がある?」

『私ですか?私は…色々持ってますよ』

「いくつ持っている?」

次はシュートからの質問。
瑠奈は頭を抱えた。
ここで言ったら今後の対策が立てにくくなる。

『…強いて言うなら6つ程』

「瑠奈さん6つも?!」

『まあ1つ能力に真似っ子って能力があって、名前の通り人の念を真似出来るんだけどそれ含めちゃったら無限大になっちゃうわ、真似た能力は元の能力者が死んでも有効、永遠に使える念よ』

瑠奈が説明し終わると挙手が。
モラウの手だった。

「その真似っ子とやらで覚えた念の数は?覚えてるか」

『…いちいち覚えてないですよ』

「実践で使えそうな念か?」

『まあ汎用性は高いですね、覚えた能力1つ使ってみますね』

瑠奈は人差指をゴンに向けた。
ゴンは首を傾げた。
瑠奈はニッコリ笑って念を発動させた。
するとゴンの体は宙を舞い瑠奈に突っ込んでいく。
それをキャッチした瑠奈。

『今の念は私の知り合いの念でバンジーガムって言うんです、ガムとゴムどちらの性質を合わせ持っていて付けるも剥すもこちら次第、ガムのようにくっつきゴムのように縮む』

「ヒソカの念か、確かに使いやすいな」

キルアが口元に手を置く。
ゴンは起き上がり瑠奈を見た。

「これって真似た能力は性能とか落ちないの?」

「それだよ!それ俺も聞きたかった!」

『んー、落ちないよ、そっくりそのまま使えるかな』

モラウとノブはビックリしていた。
するとノブが閃いた。

「瑠奈さん」

『はい?』

「私の念、真似出来ますか?」

『もちろん』

「真似て頂けませんか?」

瑠奈は考えた。
そして首を縦に振った。

『それを望むなら真似ますよ?』

ノブはこの部屋のマスターキーを見せた。

「これを使えばどの出口からも入れます」

1つのドアを開けて見せた。
瑠奈はニッコリ笑う。

『はい、覚えました』

「次はこの部屋の作り方を教えます」

瑠奈はアレからノブの念を真似た。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ