HUNTER×HUNTER
□episode22
1ページ/14ページ
瑠奈は試しの門の前まで飛んでくると門を開け中に入る。
そしてイルミの部屋の前まで飛び部屋の扉を開けた。
イルミは留守。
『あれ、居ないのか』
瑠奈は携帯を見る。
留守電とメールが入っていた。
メールを開くと「帰ってきたらメールして」と書いてあった。
留守電も同じ内容。
仕方なくメールを返した。
そしてソファーに座る。
広い部屋でテレビに繋がれたゲーム機を片付けながらボケーっとしていたら凄い勢いでイルミの気配が近付いてくるのを感じ扉の方を凝視した。
「瑠奈!」
『ただいま』
「おかえり、どうだった?」
イルミは瑠奈を抱き締める。
瑠奈はクスリと笑いその温もりに目を閉じる。
『楽しかったの』
「そう、良かったね」
イルミは瑠奈を撫でる。
その手に瑠奈は擦り寄る。
「猫みたい」
『あら、そんな可愛いものではないよ?』
「お腹空いてない?」
『良く分かったね』
「いつもより声のトーン低いからすぐ分かるよ、瑠奈がお腹空いてる時は」
そんなに分かりやすい物なのかと瑠奈は気にし始める。
「ほら、さっきまでお見合いしてたから新鮮だよ」
『わーい』
瑠奈は立ち上がるとイルミの手を引き独房へ向かった。
ルンルンな瑠奈を見ながらイルミは微笑んだ。
独房へ着くと中から声がする。
「まだ叫んでたんだ」
『…往生際悪いのね、みんな』
独房を開けると繋がれた女はこっちを見るとイルミに何か叫んでいる。
助けてだの死にたくないだの泣いている。
「うるさいよ、君」
「お願いします!助けて下さい!」
『生きが良いけど少しうるさいわね』
瑠奈が姿を表すと女の顔が絶望に満ちる。
何か察したのか。
「言ったよね、オレの奥さんに食べさせるって、君は瑠奈のご飯だよ」
『あははー、ミケのご飯になった方が気が楽そうだねー』
瑠奈はイルミにくっついたまま笑っていた。
「本当に奥様が居たなんて!」
『残念ね、貴方、とても綺麗なお顔なのに凄い表情』
瑠奈への憎悪の表情。
瑠奈はそんな表情見飽きている。
お腹が空いていた瑠奈は何も言わずに女を食べ始めた。
最初の方は噛み付く度に上げられていた悲鳴も30分経てば掠れ声になっていった。
「死体の姿でも家族の元へ帰りたい?」
イルミの問いに女は静かにゆっくり首を縦に振る。
『了解…』
瑠奈は女の頸動脈を切り付け失血死させた。
死んだのを確認し傷だけを治して立ち上がる。
「人間って本当に呆気無いね」
『簡単に死ぬもんね…』
瑠奈はイルミに抱き着く。
イルミはそのまま瑠奈を抱き上げ独房を後にした。