学園アリス

□新たな出会い
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「今日は新しく危力系に入る初等部を紹介しよう、入れ」

そう低い声で仮面を付けた男は扉を開ける。

入ってきたのは初等部B組であろう男の子。

「名前は日向棗、炎のアリスだ」

男は棗の肩を掴む。

「触んな、胸糞悪りぃ」

日向棗と紹介された少年は静かに呟くと瑠奈の隣に腰掛けた。

『炎のアリスね…よろしく』

「…」

瑠奈が話しかけるも沈黙は続く。

「まーた生意気なクソガキが増えたって訳ね」

瑠衣は少々困り顔で瑠奈の隣をチラリと見た。

「お前…、アリスなんだよ」

棗は瑠奈にそう言った。

『…腐食、氷、瞬間移動』

「ふーん…あいつと同じアリスか」

棗は仮面の男を睨む。

『そうゆうことね、ただ私のアリスは彼より強いわよ』

瑠奈はクスリと笑い棗の様子を伺う。

「星階級はスペシャルなんだろ」

『そうね、ご名答よ…このアクセサリーも全て制御装置』

ジャラ…と手首や耳についた制御装置を見せる。

「お前、中等部か」

『ええ、ほとんど教室には居ないけど…あそこは胸糞悪いから』

瑠奈は仮面の男をチラリと見て早く次の議題を出せと促す。

「お喋りはそこまでだ、次の任務について話す」

仮面の男は資料を全員に配る。

「Zの幹部を暗殺、ね」

瑠衣は溜息交じりに呟く。

『これは私が行くわ』

瑠奈は仮面の男を見る。

「良いだろう、この任務はお前に任せる」

仮面の男はそう言うと次の資料を配る。

『あら、量が多いこと…これはパートナー必須って訳ね』

瑠奈はチラリと瑠衣を見る。

「いいわ、これはアタシと瑠奈で行く」

瑠衣は資料をカバンの中にしまいながら言った。

「…良いだろう、ただし、日向棗も同行させる」

『こんな新人をこんな過酷な任務にねぇ…なにを考えてるの?ペルソナ』

ペルソナと呼ばれた仮面の男は瑠奈を見るとこう言う。

「初校長の命令だ」

『…っ』

瑠奈の鼓動が激しくなる。

瑠奈は胸の締め付けに苦しくなり胸を押さえ机に突っ伏した。

「瑠奈?!大丈夫?!ちょっとペルソナ、瑠奈がこうなるの分かっててあの人の名前口にしたわね?」

瑠衣はペルソナを睨みつけながら瑠奈の傍に寄る。

『大丈夫…だから…瑠衣…』

「でも…っ」

『大丈夫…ね…?』

瑠奈は歪んだ顔を無理矢理微笑ませる。

「無理はしないで頂戴ね、こっちの心臓も持たないわ」

『ありがとう…』

瑠奈はカバンから薬を取り出し飲み込む。

少ししてから落ち着き会議は続行されその日の会議は終わった。
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