学園アリス
□淡い片想い
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『どうしたの棗くん、なんか浮かない顔だね』
瑠奈は棗の顔を見るや否やそう言った。
「るせ…」
棗は本に視線を戻す。
「ほーんと可愛くないクソガキね☆」
瑠衣は溜息をつくと宿題であろう物に視線を戻す。
瑠奈は瑠衣の横顔を盗み見る。
(この間のアレ…なんとも思ってないのかな…)
瑠奈は俯いた。
「どうしたの?瑠奈」
瑠衣は瑠奈の頭をぽすぽす叩く。
『え、あ、えっと…その、なんでもない…』
瑠奈は赤くなった顔を隠すようにさらに俯く。
(赤くなったのバレたかな…)
そんな瑠奈の様子を見て瑠衣は悟った。
「なに?この間のこと気にしてるの?」
『な…ッ!』
瑠奈はガタンっと音を立て立ち上がる。
「あら、図星?」
瑠衣はにっこり微笑む。
『〜〜〜〜ッ!!瑠衣の馬鹿!!!』
瑠奈は勢いよく危力系の教室から飛び出し外へ出て本部から走り去る。
「可愛い反応してくれちゃって…」
瑠衣は窓の外から見える瑠奈の姿を見ながら微笑んだ。