HUNTER×HUNTER
□episode8
3ページ/11ページ
それから3日間、瑠奈達は列車の中で過ごした。
途中の会話なんて物には瑠奈は参加せずただ窓の外を眺めていただけ。
パドキアに着くと瑠奈はそそくさと列車を降りた。
『…まるで悪役ね、私にはお似合いなのかもね』
そう小さく呟くとゴン達が出てくるのを待って出てきてから街へ出た。
「ここも栄えてるんだね!」
ゴンははしゃいでいる。
『ククルーマウンテン…方向どっちかしら、と言うか此処から近いのかしら?』
「街の人に聞いてみよう」
クラピカの提案で出店の女の人に聞くと観光バスが一日一本ククルーマウンテンへ出ているらしい。
もちろんそんな事は分かっていた瑠奈だがあまり道筋を変えたくなく黙っていた。
瑠奈達はバス停へ向かい観光バスへ乗り込んだ。
道中バスガイドが色々説明をしていたがやはり瑠奈は窓の外を眺めていただけ。
クラピカはそんな瑠奈を心配し話し掛ける。
「瑠奈…大丈夫か?」
『…?何が?』
キョトンとクラピカを見る瑠奈。
「いや…ずっと外を眺めているだろう?考え事か?」
『…心配してくれてありがとう、優しいね…クラピカは、私と大違い』
クスリと笑う瑠奈。
「… 瑠奈も優しいと私は思うが?」
『…どうして?』
「瑠奈はゴンにわざわざ忠告しただろう?自分の身は自分で守れと、瑠奈なりの優しさなのだろう?」
『…自己満足よ、確かに忠告はしたわ…だけどそれが優しさだなんて私は思わない、イルミにも優しいって言われたけどそれも自己満足だもの…』
瑠奈は悲しげに笑うとそれっきり黙ってしまった。
バスはようやくククルーマウンテン麓に着いた。