HUNTER×HUNTER

□episode10
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暫くすると飛行船が止まった。
イルミと瑠奈は起き上がり外に出る支度を始めた。
イルミは髪をといている。
瑠奈は少し着崩れた着物を直す。

『私はもう行けるわよ!』

「オレも」

『じゃあ行きましょう』

二人は飛行船から降りると立派な船を見てほーっと感心していた。

「立派な船」

『私こんな立派な船乗ったことないわ…初の豪華客船が任務だなんて…』

トホホと瑠奈は涙ぐむ。

「入るよ」

『パスは持ってるの?』

「うん、これ」

一枚のカード。
それを受付のスタッフに渡すとスタッフは通してくれた。
イルミの腕に掴まり歩く瑠奈。
それをまじまじ見つめるイルミ。
イルミの視線に気付いた瑠奈は首を傾げる。

『…どうしたの?』

「あんまり気にしてなかったけど…瑠奈って意外と背低いよね」

『はい、人の気にしてる事言わないのー!全くデリカシーないんだから!』

船の中に入るとそこはきらびやかなシャンデリアや豪華な食事などが用意されている。
その豪華な食事も瑠奈にしてみれば馬の糞を食べているような感覚だ。

「んー、ターゲットはー…あ、居た」

イルミが指差したその先。
二人組の男女。

『あの二人がターゲット?男の人程よく筋肉あって美味しそうね』

瑠奈の感覚はすでにぶっ飛んでいる。
人を見て美味しそうねと言う瑠奈に対してイルミはなんとなく溜息が出た。

「瑠奈は男の方引きつけて殺して、目立たない場所でね」

『OK、じゃあ30分後にここに集まろう』

「分かった」

二人は別れて瑠奈は男の方へイルミは女の方へ向かう。

『あのー…スミマセン、これ落としませんでした?』

瑠奈はさっきわざとこの男から盗ったライターを男に差し出す。

「おお!ありがとう!これは大切なものでね…娘から最後に貰ったプレゼントなんだよ、お嬢さん、拾ってくれたお礼に何か飲み物をご馳走しよう」

『あら、私はもっと深くまで貴方のことを知りたいわ…?』

瑠奈の唇を見た男は興奮してゲストルームを借りようと言ってくれた。

『あんな分かりやすい色仕掛けに引っかかるとこは馬鹿なのね…』
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