学園アリス
□居場所
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食事を終えて中等部の教室に入るとクラス中が騒めく。
「おい…姫宮じゃん…」
「なんで来たのかしら…」
「勘弁してくれよな…」
ざわざわとしているクラスの中に瑠奈は躊躇いもなく入っていく。
そして自分の席に着くと机の中を見る。
中には…
『ほんとガキ…だから来たくなかったのに』
中には大量の中傷的な言葉の書かれた紙。
「おい…、あれ怒ってないか」
「だからやめろって言ったのに…」
すると瑠奈の前に2〜3人の女子生徒が群がる。
「誰かと思えば姫宮さんじゃない?」
「学園祭の説明の日だけ授業に来るなんて本当図々しいのね」
「来なくても良いのに」
3人組は高笑いをしてそれぞれの席に着く。
『ガキが』
瑠奈は舌打ちをして近付かれないように無言で殺気を放っていた。
「そういえば今日高等部の先輩と合同だよねー、そこでクラス別に分かれるんだよね」
とクラスの生徒が言う。
(なんだ、すぐ瑠衣と一緒になるんじゃん、来なきゃ良かった)
瑠奈は心の中で舌打ちをする。
「はい、皆さん静かにー、これから第二会議室に移動しますので瞬間移動の能力者の者は速やかに前に来てください」
瑠奈はめんどくさいと言わんばかりに立ち上がり即座に前に行く。
自分の両脇にのばらと颯を抱えながら。
「俺も巻き添えかよー」
颯がぶーぶー文句を言っている。
「瑠奈ちゃん…その…大丈夫?」
のばらは瑠奈の顔を見る。
『なにが?』
瑠奈はしれっとした顔をしてのばらを見る。
「あの…机の中の紙…」
『あんなの大丈夫よ、ただのガキの遊びでしょう?』
瑠奈はさっきの3人組に聞こえるようにわざと声を大にして言った。
3人組はわなわな震えている。
『さて、さっさと会議室に行っちゃおうよ』
瑠奈は残り数名を颯にくっつかせ瞬間移動で第二会議室に向かった。