ギラリン
□Don't leave me alone...
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この感情はなんだろ…?
「魔王様復活の可能性が消えたこんな時代に用はねえ!」
なんだかいらないっていわれたみたいで、心が痛いよ。
なんで?ギラヒムはいつも魔王のことになるとそんなにムキになる。知ってたよ。
過去まで巻き込んで君は何を望むの?
君を知ったのは随分と前のことだった。森で一眠りしていた僕の横で敵であるギラヒムが眠っていた。
「ちょ、え?」
一瞬驚いたけど、肩に体重を乗せられていてビクともしない。ただ頭を乗せられてるだけなのに、胸が痛くて…目を瞑って寝息を立てるギラヒムに少し幼さや可愛さを感じて、苦笑。
頬にあるダイアのそれを撫でてみた。何故かこそばゆい気持ちになって、顔が熱い。変だ。
「…マス、ター…」
え?
「…行かないで、くだ…さい、」
いつもの気持ち悪いギラヒムとは真逆の弱気な声。
「ギラヒム、もしかして…」
真実を知ってしまえば、こいつがなんのためにこうして努力してるのか検討がつく。
「お前も大変なんだね?」
ももに乗せられた白い手に触れて撫でてあげる。
「こんなに綺麗な手を汚しちゃ、勿体無いよ?僕の手はやっぱり人間だもん。ギラヒム、自分の為に生きてみるっていうのもいいんじゃないかな?もう、いないんだし。僕は戦い好きじゃないもん。ギラヒムと戦うのも、ボコブリンを倒すのも………だから争うのはやめよう?ギラヒムのこと、好きになりたいよ?僕…ねえ、だかっ…ー」
近い。近すぎて何も見えない。
「…ーん、え?」
「リンク君、ワタシのこと倒してね?…ーぜってえだ。」
お前に死んで欲しくはねえんだ。
微笑むギラヒムが、眩しいよ。見れないよ。ねえ、どこにいくの?いかないで、一人にしないで。