キャラと関わらずに済む方法は? 2

□28話
4ページ/4ページ

「なあ白蘭、ブルーベル達のところに行っていい?ってか行かせろ」

「えー……なんで?」

「そりゃブルーベルに会いたいからだよ」


ブルーベルに会いたいってのもあるが、白蘭とはなるべく離れていた方がいいと思ったからだ。あまり長く白蘭と居続けると、白蘭の依存度がどんどん増加してしまう可能性がある。
それを避けるためには、なるべく白蘭から離れなければ。


「じゃあ僕も一緒に行くね」
「それはダメ(それじゃ意味ないし)」

「ちぇー、即答しなくても……」


白蘭といたくないからブルーベル達のところに行くのに、白蘭がついてきてしまったら本末転倒だ。
悲しげに目を伏せる白蘭の白髪を撫でると、その手に擦り寄ってくる。


「一時間くらいで戻るから」

「……わかった、いってらっしゃい」


諭すように言うと、ようやく納得してくれた。

ソファから立ち上がって本を片手に持ち、部屋を出た。
後ろではいまだに白蘭が悲しそうな顔をしていたが、無視だ無視。



***



ブルーベル達がいた部屋に行くと、まず目に入ったのは水槽。
その中にはブルーベルが一糸纏わぬ姿で入っている。つまり裸。
水槽といっても筒状の……漫画とかで見るような、入っている人間がマスクをつけて目を閉じ、浮いているような……そんな感じのもの。

だが、ブルーベルはマスクなんてつけていない。
あれおかしいな、人間って水中で息できたっけ?無理だよね?
でもブルーベル生きてる。笑顔でこっちに手を振ってる。
なにあの子、魚?魚人?人魚?人面魚?どれだ。


「にゅにゅ〜っ、咲夜っ!」


ザパッと音をたててブルーベルが水槽から出てきた。
ここ君とアタシ以外男しかいないんだけど……羞恥心はないの?
まあコイツらもガキの裸見たってどうも思わないんだろうけど。


「とりあえず服着ろ服」

「えー、このままでいいでしょー?」

「着ろ。じゃないと帰る」

「っ着るから帰んないで!」


ブルーベルは水槽の縁から飛び降りると、落ちていた布……マント?を羽織り、着たよ!とでも言うような自信満々の顔でアタシを見ている。
それは服を着たとは言わないと言いたかったが、止めといた。
スゴい自信に満ち溢れてたし、それを打ち砕くようなこと言えないって。

そんなブルーベルの頭をとりあえず撫でといた。
ブルーベルは満足気に目を閉じている。かなり可愛い。


「なんでここに来たの?」

「あー……、暇潰し」

「にゅ?暇なの?」

「そー。アタシ退屈が嫌いなんだよね」


苦笑するとブルーベルが抱きついてきた。なぜに。
ロリコンだったら興奮するだろうけど、アタシは少し鬱陶しい。
まあ突き放すのも可哀想だし、抱きしめておく。


「とはいえ、ここには楽しめるものなどありませんよ?」

「見ればわかるけどね」


桔梗の言うとおり、この部屋には遊具なんてものはない。
だからこそ、この分厚い本を持ってきたんだ。
白蘭と居るとかまってかまってとうるさく、集中して読めない。
……ここだとブルーベルがうるさそうだが、白蘭と離れるためには仕方なかったんだよ。部屋に戻ると白蘭もついてきそうだったし。





で、結局ブルーベルの妨害もあり、本は読めなかった。
ついでに一時間ピッタリ経った瞬間に白蘭がここに入ってきたりもした。しかも扉を粉々になるほど派手にぶち壊して。


……静かに本読みたいだけなんだけどなぁ……。
次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ