キャラと関わらずに済む方法は? 2
□28話
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「ですが仮にそれを事実と受け入れたとして…理解に苦しむ点は他にもあります。白蘭様はそれほど重要な問題を、なぜ一部の人間、しかもホワイトスペルの人間の一部とだけ共有しているのでしょうか?」
「そんなのこの様子を見ればわかるだろ?
タイムトラベルの話をしたところで、君達信じないから」
図星を突かれた隊長達はまたもや口を噤む。
まあタイムトラベルなんて信じろって方が無理だよね。
つーかホワイトスペルやら匣やら、知らない単語が多すぎる。
「既成事実を示したらすぐに教えようと思ってたんだ。本当だよ、ユニ」
白蘭の視線の先には、ユニと呼ばれたかなりの美少女が無表情で座っている。
あんなに可愛いのに無表情とは……笑ったらもっと可愛いだろう。
「まだわからないことがあります。その技術をもってしてなぜボンゴレなんです………?わざわざ狩っている連中を…」
「彼らを一度消したぐらいじゃ物足りませんかな?ボス」
視線に耐えるように下を見ながら膝の上で手を握っているアタシは、名も知らない隊長とやらの言葉に違和感を覚えた。
(消した………?)
口に出しそうになった言葉を慌てて飲み込む。
彼らって、ボンゴレ……沢田達のことだよね?
消したって……この10年後の沢田達をってこと……?
白蘭達って悪役なのに……やられるとかバカだろ、何やってんだよ沢田。
「まるでわかってないねぇ」
前髪が斜めにカットされているという、変な髪型の男がバカにしたように笑った。ちなみにこの人はホログラムだったりする。
「なに!?」
「この計画の狙いは幼いボンゴレファミリーなんてカモではなく、むしろ奴らの背負(しょっ)てくるネギの方でしょう」
「ネギ……!?」
「リング、リング、ボンゴレリーング」
「ボ、ボンゴレリング!?」
ボンゴレリング……これのことだよね。
チェーンに通して首にかけているリングに触れる。
冷たい、無機質の物体に、コイツら……白蘭が欲しがるほどの価値があるとは思えない。
「さすがグロ君、鋭いなぁ」
グロ君というのは、あの変な髪型の男の名前なのだろう。
さすがと言っているあたり、白蘭はわりとあの男のことを買っているようだ。
「たしかに最高峰のリングとしての魅力はわかるが…、すでに我々には同等の力を持つマーレリングがあるのですし…、!!ま、まさか!!」
「わかってくれたみたいだね。
…そ、僕が欲しいのは究極権力の鍵、73《トゥリニセッテ》だよ」
白蘭が手元にあるモニターらしきものに触れると、天井から石板のようなものが音をたてて降りてきた。石でできてるかどうかは知らないけど。
そこにはリボーンがつけているのと同じおしゃぶりが5つ窪みに嵌め込まれており、その下には左右に7つずつ、計14の何かを嵌める窪みがあるが、そこには何も嵌め込まれていない。
もう何がなんだか分からないけど……ここから出たい。
もう10年前に帰れなくてもいいから、ともかくここから逃げ出したい。