キャラと関わらずに済む方法は? 2
□41話
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謎の攻撃によって破壊された【罪】。
だが、あれは偽物だったらしい。
本物の【罪】は奥にある金庫に保管されていたようだが……。
「【罪】は返してもらうよ。この血は、僕らシモンファミリーのものだから」
7属性の炎で守られていた金庫は破られた。
――――炎真たち、シモンファミリーの手によって。
(……いやいやいや、わけわかんねー……)
なぜシモンファミリーがこんなことをしたのだろうか。
あいつらはボンゴレの味方だったはずだ。
でなければ、沢田の護衛などするはずがない。
何がどうなっているのかさっぱりわからないが……。
「……逃げとこ」
足音を立てないように気をつけて部屋から出る。
部屋の外からバレない程度に顔を出し、中の様子をうかがう。
このまま逃げ帰るのは、なんとなく後味が悪くてできなかった。
(……まあ、本当はリボーンにアタシが逃げたと知られたら、どんな目に遭わされるかわからないから、怖くて逃げられないだけなんだけど……)
アタシがリボーンに何度も拳銃を突きつけられていたことを思い出している間にも、沢田たちは炎真に痛めつけられていく。
「…………」
こうして安全な場所で見ていると、よくわかる。
炎真は重力を操っている。
だから沢田たちの体が壁や床に叩きつけられているのだ。
炎真はさっきから腕以外ほとんど動かしていない。
片手だけで重力を操作しているのだろう。
あれに勝てるのか、沢田は。
「帰ろう、アーデルハイト。簡単に殺しちゃいそうだよ。一瞬で殺してしまったら、シモンが背負わされたのと同じ苦しみを味わわせられない」
「……そうだな、息の根を止めることなどいつでもできる。奴らに味わわせるべきは生き地獄」
「クロームちゃんも連れて行くよ。デートする約束してるからね〜ん♪」
見知らぬ男がクロームを連れ去ろうとする。
「クローム!!」
「ツナ君は自分の心配をした方がいいよ」
「がっ……!」
天井にめり込んでいた沢田を再度攻撃する炎真。
その攻撃によって、沢田のボンゴレリングが砕けてしまった。
力を失った沢田の体は地面に叩きつけられる。
「今日この日がボンゴレの終焉のはじまり。そして新生シモンの門出だ。……帰りましょう、聖地へ」
それだけ言い残して、シモンファミリーは去っていった。
「……はぁ……」
沢田たちはああも簡単に倒されてしまった。
はっきり言ってつまらない。
主人公がここまでボロボロにされるなんて。
まあどうせまた修業して、最後に勝つってオチなんだろうけど。
仮にも主人公なら、もっと展開を面白くしてほしいものだ。
血を流して力なく横たわる沢田を見ながら、ため息を吐いた。