キャラと関わらずに済む方法は? 2

□30話
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たまに、自分は呪われているんじゃないかと思う。


桔梗が淹れてくれた紅茶を飲みながら人生を振り返ってみる。


知らないクソガキ助けて死ぬわ傍観したかったのにズルズル巻き込まれていくわ何故か人を病ませる体質になって周りの奴ら病んでいくわシアンは勝手に現れて勝手に消えるわ白蘭に束縛されるわ……こんな罰ゲーム的なイベント満載の人生、呪われていると言わずになんという。


現に今もかなり面倒なことになっている。
ソファの中央に座るアタシの左隣にはブルーベル、右隣にはデイジー。桔梗は正面のソファに座って紅茶を飲み、いつも寝ているソファを奪われたザクロは床で寝そべっている。
その全員の視線がアタシに向けられているもんだから困る。


「咲夜っ、それちょーだい!」

「ああ、うん……」

「咲夜……僕にも……、」

「はいはい……」


アタシが食べていたクッキーを寄越せとねだってくるブルーベルとデイジーに皿に盛られたクッキーを取って食べさせる。
目の前にあるんだから自分で取って食えばいいのに……。


「おいしー♪」

「美味しい……」

「………はぁ」


嬉しそうにクッキーを食う二人を見て、思わずため息をつく。
なんなんだこれ……どこにいってもめんどくさいことばかり。
白蘭を説得し、部屋を出てやっと白蘭の視線から逃れることができたとのに……結局どこにいっても人の視線から逃れることはできないのか……。


「ハハン、人気者ですね」

「ああ……嬉しくはないけどね……」


カップをテーブルに置いて微笑む桔梗に苦笑いを浮かべる。
人に嫌われても面倒だけど、好かれても面倒なんだよな……。どちらにしろ面倒なら、アタシは嫌われた方が………、いやでも嫌われて暴力振るわれるのは嫌だな……。


「咲夜様は愛されてんなぁ」

「ウザいから寝てろよザクロ」

「……オレにだけ酷くねぇか?」

「気のせい気のせい」


他に溜まったストレスぶつけられる相手がいないからお前に八つ当たりしてるとかそんなの気のせいだよ。気のせいだから八つ当たられてろ。


「咲夜大好きっ!」

「僕も、好き……」


デイジーとブルーベルが腕にしがみついて笑う。


「私も好きですよ」

「オレも好きだぜー」

「ザクロは黙れ」

「バーロー……やっぱオレだけ……」


桔梗は微笑み、八つ当たられたザクロはいじけてふて寝する。
ザクロ、悪いね……アタシのストレス発散の捌け口になってくれ。悪いなんて微塵も思っちゃいねぇけどな。





恐らく死んでいるであろう目で天井を見ながら、紅茶を啜った。
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