キャラと関わらずに済む方法は? 2

□34話
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「さあこっちだ!」

「とりあえず脱出は成功だね……」


成功してしまった。
絶対無理だと思ってたのに逃げ切れてしまった。
やっぱりザクロについていったほうが安全だったかもしれない。
でもまあ、今さら後悔しても遅いか…。

外の景色はさっき入ったところとは違う。
どうやらこのアジトには複数の出入り口があるようだ。
当然と言えば当然なのかもしれないが、手が込んでるなぁ…。
さすがボンゴレ。というか、いつまで手首掴まれてんだろ。


「どうですか? リボーンさん、ラルさん、ユニさん。新しい非73線対策カバーは」

「……アジト内と変わらない…」

「ほとんど何も感じねーな」

「はい」


それを聞き、小柄な男がホッとしたような表情を見せる。
ラルというのは今返事をした、ビアンキに支えられている女のことだろう。

全く……原作を知らないと厄介だ。
敵側にいたら登場キャラの名前が少しもわからない。
だからこそ会話の中で名前を知ろうとしてるんだけど…面倒だ。

現に今だって知らない単語が出てきた。
73という言葉は知っているが、非73線とはなんなんだ。
アタシだけわからないままで……ああもう、なんかイライラする。


「幸いなことに、メローネ基地がなくなってからかなり非73線は弱まっています。このレベルなら、その対策カバーで99%近く遮断できるはずです」

「と…とりあえずよかった…。これならリボーン達も町を移動できるね」

「だがアジトに戻るのは危険だし、町にはすでに何人かの真6弔花がいると考えた方がいい。どーやってユニを守るんだ、ツナ」

「えっ!? どっ、どーやってって…!!」


沢田の顔、そこまで考えてなかったって顔だ。
きっとユニを守るという発言は勢いで言ったものなんだろうな。
主人公がそんなに適当でいいのか。仮にも主人公だろ。
そしてユニ。ほんとにいつまでアタシの手首を掴んでるんだ…。

ソッと離せという意味を込めてユニの手に触れる。
するとユニはアタシの顔を見たあと、すぐに手を離した。
やっと解放された。熱をもった手首を冷やすように軽く振る。


そうこうしている間に話は進んでいく。
沢田達はどこへ隠れるかを話し合っているようだ。
ちなみにアタシは隠れられる場所なんて一つも知らない。
みんなの自宅はミルフィオーレのリストにのってるらしいし。

なかなか決まらず、アタシ以外全員が頭を悩ませる。
いや、アタシはあてがないから考えるだけ無駄だしさ。


「あっ! でしたらハルにいい考えがあります!!」

「?」


突然今まで黙っていた三浦が話し出す。
そういえば、アタシと三浦ってあんまり接点ないな…。
まあ、他の奴らとも会話はそこまでしたことないんだけど。


三浦の知り合いに不動産屋を営むおばあさんがいるらしい。
なんでも、隠れ家にいい物件があるのだと。
リボーンは案外盲点でいいかもしれないと言っている。
盲点だろうがなんだろうが、見つかるのは時間の問題だと思うけどね…。


「じゃ…じゃあ…みんなで…その……不動産屋へいこうか……」


本当に行くのか、不動産屋に。
なんとなく嫌な予感がするけど……大丈夫だろうか。
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