キャラと関わらずに済む方法は? 2

□38話
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――――頭が、痛い。


「いつっ……」

「咲夜ちゃん!」

「目が覚めたんですね!」

「は……京子と、三浦……?」


目の前に京子と三浦の顔がある。
二人はユニを追ったはず……どうしてここに?


体を起こして周りを見る。

……ここ、森じゃない。


「御坂さん、森の中で倒れていたんですよ」

「……ああ、そうか」


アタシ、気絶したんだった。
あんな痛みを頭に流し込まれたら気絶するのは当然だ。

誰かに見つけられて、運ばれでもしたのかな。
もし見つけられてなかったら、今もまだあの森で一人……。


(うわあ……考えるのやめとこ)


まだ頭が痛むし。
後遺症とかないといいんだけど……。

もし体の一部が動かなくなったりしたら、白蘭のこと永遠に呪ってやる。


「私、みんなに伝えてくるね!」


京子が走って部屋から出ていく。
部屋にはアタシと三浦が残された。


……そういえば、アタシ、三浦と話したことないな。


「ええっと……三浦、アタシのこと知ってるの?」

「はい! 京子ちゃんから聞いてます」

「あ、そう……」


てっきりアタシが一方的に知っているだけかと。


「御坂さんも、ハルのこと知ってるんですか?」

「まあ、ね。アタシも沢田たちから聞いたんだ」

「そうなんですか! あの、咲夜ちゃんって呼んでもいいですか? あと、ハルのことはハルって呼んでください!」

「え、ああ、うん……」


妙にフレンドリーな娘だな……。
テンションも高いし、苦手なタイプかもしれない。


三浦ハルは沢田のことが好きなんだっけ。

好きな人がいる人間には、アタシの体質は効かない。
つまり三浦ハルがアタシを好きになって病む心配はないと……。


よかった。
これ以上病む人が現れたら、夜逃げするところだった。


「……ハル、は、沢田のことが好きなんだよね」

「はひっ!? な、なんで咲夜ちゃんが……」

「いや、まあ、うん。……その気持ちを忘れないでね」


ずっと沢田のことを好きでいてくれ。アタシのために。
 
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