キャラと関わらずに済む方法は? 2
□41話
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ボンゴレの同盟ファミリーがやられたとか、山本が誰かに襲われて二度と歩けないような大ケガしたとか、なんか色々あったらしいけどアタシは知らん。
普通に学校行って普通に過ごしていた。
ボンゴレ継承式当日。
アタシはいつもどおりに過ごしている……はずだった。
(ちくしょう……別の街に逃げとけばよかった……!)
家にやってきたリボーンに連れてこられた大きな城。
ここでボンゴレの継承式が行われるそうだ。
城一つ貸しきっちゃうとか頭おかしいんじゃないのと言いたい。
たかだかマフィアのボスが変わる程度で何してるんだか……。
しかもリボーンになぜかサイズぴったりなスーツ着せられたし。
なんでアタシの服のサイズ知ってんのリボーン。
スーツなんて着たのは卒業式以来だ。
まさか、マフィアのボスの継承式に参加するために、人生で二度目のスーツを着るはめになろうとは……想像もしていなかった。
ああ帰りたい。今すぐ帰って布団にくるまりたい。
「これより、T世の時代より受け継がれしボンゴレボスの証である小瓶を、ボンゴレ\世よりボンゴレ]世へ継承する」
城の中はスーツを着た強顔の人たちで溢れかえっている。
長時間ここにいたらストレスで胃に穴が開きそうだ。
「では……継承を」
現ボンゴレのボスが、箱を開く。
箱の中には赤い血が入れられた小瓶が一つ。
(あれが【罪】とかいうやつか……)
血が入った小瓶なんて気持ち悪いにもほどがある。
ボンゴレは、なぜ血なんかを受け継いできたのだろう。
そう疑問に思い、首をかしげた――――その瞬間のことだった。
「! い゛っ!?」
頭がおかしくなりそうなほどの高音が、城に響き渡ったのは。
耳を押さえてうずくまる。
鼓膜が破れてしまいそうだ。頭が痛い。
『――――咲夜ちゃん』
痛みに耐えていると、あいつ顔と声が頭に浮かんだ。
こんなときにあいつ――――白蘭ことを思い出すだなんて、最悪すぎる。
痛みはあのときほどではないが、やはり思い出してしまった。
痛みを感じると白蘭のことを思い出す、か。
(……最悪だ)
……今は早く忘れよう。それより、だ。
(くっ……だから嫌だったんだよ……!)
ポンと渡してはい終わりってなるわけないじゃないか。
こういう時、沢田の周りでは絶対に何かが起こる。
むしろ何も起こらないなんてありえない。
この世界は主人公である沢田を中心に廻っているのだから。
そうわかっていたからこそ、絶対に来たくなかったのに……!