キャラと関わらずに済む方法は? 2

□45話
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気まずいというかめんどくさい。
完全に意気消沈した沢田は先程から一言も喋らない。
ランボはそんなのお構いなしにと沢田に遊べとせがんでいるが。
ここまでKYだと呆れを通り越して尊敬できる気がする。
あくまでそんな気がするだけで尊敬などするはずもないが。

「おっ、ヘリコプターだもんね!!」

ランボの言葉に空を見る。
確かにヘリコプターが空を飛んでいた。
けれどそれはあっというまにどこかへ行ってしまう。
何がしたかったのだろう。
そもそもなぜこんなところにヘリコプターが来たのだろうか。
あれに乗っている人間の心を読めば、それが知り合いであれば誰なのかわかるだろうが、ぶっちゃけ興味はないためそれをすることはない。

「何だ……ありゃ? ま……まあでもここまで来たら気にしたってしょうがないっスね! 10代目♪」

沢田を励ますためか、わざとらしく明るく言う獄寺。

「……オレ……自分が正しいことをしてるのかわからなくなってきた……」
「!!」
「エンマ達のやり方が正しいとは思わないけど、でも……もし自分がエンマと同じ立場にいたら同じことをしてしまうかもしれない……自分の家族を殺した奴の子供が目の前にいたら黙って見ていられないんじゃないかって!!」

突然無言を貫いていた沢田が喋りだした。
かと思えば口をついて出てくるのは泣き言ばかり。
沢田の親がやったことが沢田には関係ないと言えば嘘になる。
家族がしたことなのだから無関係ではないだろう。
けど少なくとも沢田が悪いわけじゃない。
親のしたことに子供が苦しむなんておかしいと思う。
……なんて、励ますような真似しないけど。
めんどくさいし沢田を気遣う理由なんてない。

「――あのタイミングで、我を忘れたエンマが飛び出して来たってのがどうもひっかかる。オレはシモンの背後に何かドス黒い影があるような気がしてならねえ」

いつのまにか沢田同様口を閉ざしていたリボーンが何か話をしていた。
いつも考え事をしているとすぐに話の流れに置いていかれる。
まあ話についていきたいわけでもないが。
アタシに関係ない話ならどうでもいいし聞く必要も感じない。
……シモンの背後にドス黒い影、か。
これも原作を読んだらなんのことか簡単にわかるだろう。
この世界でそんなことを考えても、無駄でしかないけれど。
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