キャラと関わらずに済む方法は? 2
□26話
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「イタ、リア……?日本じゃなくて…?」
「うん♪ここはイタリアのミルフィオーレファミリー本部」
ミルフィオーレファミリー……ってマフィア?
ファミリーってついてるんだし、マフィアだよね…。
でもボンゴレじゃなくてミルフィオーレ?聞いたことないな…。
「アタシってミルフィオーレファミリーの一員なわけ?」
「うーん…ちょっと違うかな。君は元々ボンゴレファミリーの人間だったんだけど、僕が拐ってきちゃったんだ」
「まさかの拉致ッスか」
アタシコイツに拉致られたのか。
イタリア……イタリアか………アタシパスポート持ってんの?
少なくとも "アタシ" は持ってない。10年後の "アタシ" が持ってるかどうかは分からないけど。持ってなかったら不法入国だ。
「僕はミルフィオーレのボスなんだよ♪」
「えぇー……ボス…なの…?」
こんなポワポワしたやつが?ボス?
いや沢田も結構ポワポワしてるけどボスなんだし……ありえなくはないか。
「でもなんで拉致ったりなんかしたの?」
そう問いかけると、白蘭はアタシの頬に手を添えた。
直に触られると気持ち悪くて鳥肌たつんだけど……離せよ。
「それはね……咲夜ちゃんに一目惚れしちゃったからだよ♪」
「は……?」
一目惚れ……一目惚れ?そんなことで拉致したわけ?
そもそも一目惚れなんて本当に……ありそうだな。
アタシの体質なら一目惚れされても仕方なさそう……。
「あー……そう、一目惚れ…ね……。
でも一目惚れしたのは10年後のアタシだろ?
10年前のアタシではないんだし……だから離せよ」
「どっちも咲夜ちゃんでしょ?」
うん、白蘭の言う通り、正論だね。
10年前だろうと10年後だろうと、アタシはアタシだ。
いまだに頬に触れている白蘭の手首を掴んで無理矢理離した。
「それにね、今の……10年後の咲夜ちゃんのことは、ただ一目惚れして好きなだけだったんだ。だけど……今僕の目の前にいる、10年前の咲夜ちゃんのことは……殺したいくらい大好きなんだ♪
一目見た瞬間に、殺して僕だけのものにしたくなっちゃったよ♪」
うーわー…この人も病んじゃってるよ………ちょっと待て。
ってことは、10年後のアタシのことは殺したいと思わなかったってこと?
もしかして10年後のアタシって、体質消えてる…?
それは嬉しいけど……目の前の白蘭は病んでしまったことに変わりはない。
「そう……」
「でも殺さないから安心してね。咲夜ちゃん」
「あーうん、ありがとー」
いずれ殺されそうな気がするけどな。
ま、大人しくしてれば大丈夫だよ…な。
ここから逃げ出すつもりはない。
逃げ出したところで、ここはイタリアだ。
アタシ自身はパスポートを持ってないから日本には行けない。
それに……ここにいるのも案外いいかもしれないし。
不自由はしなさそうだし……ここで帰れるまでのんびりしてよう。
「ねえ、アタシの部屋ってどこ?」
「それならここだよ」
「……は?」
ここって……人間が生活する部屋だったわけ?
このバカ広いエントランスホールみたいなとこが?部屋?
「本当の部屋は下の階にあるんだけど、
今日からは僕の部屋が咲夜ちゃんの部屋だよ」
「本当の部屋案内しろ」
「えー……しょうがないなぁ」
当たり前だろ。同じ部屋で生活なんかしてたまるか。
つーかここ白蘭の部屋だったのか……白蘭って金持ち?
まあボスなわけだし、金持ちなのが普通か…。