Fanatical Night
□どきどき
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「ふぁー眠い…。」
気が付くと朝だった。
(私、いつの間に寝てたんだ。)
「はるたむはお仕事行ったっぽいな。」
体を伸ばして大きなあくびをひとつ。
窓の方を見ると、しとしと雨が降っている。
一夜明けても私はあいりのことが頭から離れなかった。
(あいりは今なにしてるんだろ…)
ぼーっと考えてしまう。
「あぁ…いかんいかん。お仕事行かなきゃ。」
支度を整え、私はなにかに追われるようにホテルを後にした。
ラジオの収録、グラビアの撮影、イベントの打ち合わせ…。
私がお仕事を全て終えたときには既に時計は20時を回っていた。
ふらふらっとした足取りでホテルへと戻る。
(疲れたなぁ…明日朝早いし、シャワー浴びてすぐ寝よっと。)
「やっと部屋に着いたー。」
(ん…明かりがついてる…。はるたむもう帰ってきてるのかな。)
私は部屋のドアを開ける。
「お疲れ様〜。」
「あ、お疲れ〜。」
(えっ…?)
ドキッとした。
私の中で一瞬、時が止まった。
(この声……あいり?)