1話〜
□ep1「EAGLE WING」
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輝きの星、シャイニア。
東西南北に別れた、4つの大陸からなり、大陸と大陸の間には青い海が広がる。
霊力で満ち溢れ、生物は皆霊力を宿して生まれ、生活のあらゆる原動力に霊力が用いられている。
人々の中には、霊力のほかにもう一つ”何か”を宿して生まれてくる者がいた。
Purify ep 1 「EAGLE WING」
「…んー…、どれにすっかな〜」
ここは、東の大陸 アグライア のホウリア王国に建つ自護団「EAGLE(イーグル) WING(ウィング)」。
自護団の館内1階の大広間に、パソコンを見ながら腕を組み、何かに悩む青年がいた。
「報酬はこっちの方が良いけど、面白そうなのはこっちだな…」
「どっちも行けばいいんじゃねぇ?っつーか、ガル!食べ終わったら食器さげろって言ったろ!」
「あ、キズク…って、またそんな熊のエプロン着てんのかよ」
「熊じゃねぇ、パンダさんだ」
パソコンで仕事の依頼情報を見ていた青年、ガル・プロメート。
その青年に話しかけたパンダのエプロンを着た青年、キズク・ザンザスク。
彼らは、ホウリア王国最強と謳われる自護団、EAGLE WINGの団員である。
この世界では、霊力のほかにもう一つ“何か“を宿した者
人為的に体内に霊力凝縮剤を打ち込み、能力を手にした者
および、武器の使い方や戦術、治療など、自らの能力を特化させた者のことを「ルーラー」と呼んでいる。
ルーラーが所属し、仕事などをこなす場所。それが、自護団と呼ばれる集まりなのだ。
自護団は、幻獣の討伐や護衛、紛失物の捜索など幅広い仕事を受けている。シャイニア政府が管理するシステム内に仕事の依頼掲示板があり、そこからルーラーが自分で仕事を選ぶというスタイルになっているのだ。
ガルは今まさに、仕事を選んでいる最中なのであった。