恋の移ろいは季節と一緒に(立海/丸井オチ)
□6話 夏T
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『ごめん』
長い静寂に感じたけど、実際にはそこまでじゃなかったかもしれねぇ。
・・・・・つぅか
なんで俺、まだこんなとこに留まってんだよ。
荒井の声を聞いちまったのは不可抗力として、これ以上は野暮ってモンだろぃ。
そう思うのに、なんでか足が動かねぇ。
『気持ちは嬉しい。ありがとう。でも、付き合うとかそういう関係になるのは、頷けない』
「ははっ、だと思ったぜ」
『なんだ、予想してたのか。失礼なヤツめ』
「だってよ、お前が俺のことそういう対象に見てないのはわかりきってたしな」
『そこも否定はしない』
「そういうサッパリしたとこ、好きだぜ」
『これは礼を言うべきところか?』
互いに苦笑し合ってる雰囲気が伝わってくる。
一見すれば、ありがちな告白ムードって感じじゃねぇ。
でも・・・・・間違いなく、これはそういう意味のシーンっつぅわけで。
荒井のヤツ、神谷のこと好きだったんだな。
いや・・・・なんとなく、少し思うことはあった、か…。
―――――…なんでだ
胸がザワつく。