06/19の日記

15:45
報告書番外編 大鳳の時が永き日〜初陣の悲劇〜
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蒸し暑い時と、雨が降り注ぐ時が交互にくる6月のこの日。







装甲空母大鳳は、桜吹雪から特別非番の令が言い渡されたのである。





〜執務室より〜




大鳳「今日も良い風ね。でも……………………今日だけは、本当に辛いわ……………。」





彼女の口から出た意味深な言葉。それもその筈、今日6月19日は、マリアナ沖海戦で、装甲空母大鳳が死んだ日である。





初陣直後に、敵潜水艦から放たれしたった一発の魚雷により、水面に散ってしまったのだ。




今は桜吹雪も出撃中につき、執務室にいるのは、事実上大鳳一人だ。




大鳳(桜吹雪さんも不器用な所もあるのね。でも、……………桜吹雪さんも、いい旗艦だし、司令官としても尊敬できるわ。)





時刻は1700近く、日中は晴れていたのに、厚い雲に覆わんとしていた。









そして夜…………桜吹雪達はまだ帰ってこない。




大鳳は、もう少し書類を整理しようと思い立ち上がった時だった。






ゴゴゴゴゴゴ!!←地震発生






大鳳「キャッ!!い、今のは、地震………!?」





バツン!!←電灯消ゆ





大鳳「おまけに停電まで……………いや落ち着いて、ここは慎重に…………」





と自分に言い聞かせ、仕事を続けようとした、次の瞬間だった。







ボォン!!!!





大鳳「!!?」




突如轟いた爆音。耳を塞ごうとしたが、それも遅くまともに聞いてしまった。




その爆音を聞いてしまい、その先に自らの頭に流れ行くのは過去の記憶、即ち、もう一人の自分が、散った時。






燃え盛る焔、爆破する飛行機、散りゆき、動かなくなった死体。




起きて欲しくない闇が、大鳳の頭を真っ黒にさせる。室内の筈なのに全身が焼け尽くほど熱い。





大鳳「や、やめて…………………。」





大鳳「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」




彼女は有らん限りの声で絶叫し、そして大鳳は、気を失った。




――――――――――




数時間後、大鳳はヒンヤリとした感触に覚え、目を覚ました。





桜吹雪「気がつきましたか?大鳳さん。」









どうやらここは大鳳の自室らしく、大鳳の周りには、桜吹雪達七進攻、七進攻派生艦隊である四源之駆逐隊、新編第一戦隊がいた。







桜吹雪「敵艦隊を撃破した直後に緊急入電が入り、地震の影響で倉庫と工廠が同時に軽い爆発が起きたと聞いたので急いで帰投したのですが…………執務室へついたら貴方が倒れていました。」





大鳳「さ、桜吹雪さんご、ごめんなさい!わ、私は………!」←体勢を立て直そうとする。





ビスマルク「無理をしないで、横になってて、主様。それに」





桜吹雪「謝るのは、私達の方です。」





大鳳「?」





長門「かつての大鳳が、今日死んだ事は私達も知っている。だから桜吹雪殿は、大鳳に特別非番を出したのだが、もっとも苦しい時に全員でいることが出来なかった。ふふ、これでは我等もまだまだだな。」





大鳳「そんなことありません!!もう前とは違うとは分かっているのに、私が腑甲斐無いせいで………………!!」






桜吹雪「私達艦娘は、なにかしらの傷をやどしてます。それを少しでも和らげるのが、私達の使命。」





桜吹雪「忘れるなとは言いません、一緒に乗り越えましょう。私達は、何時でも大鳳さんのそばにいます。」





大鳳「桜、吹雪、さん…………………!」←ポロボロ






数分の後






睦月「落ち着きました?」






大鳳「うん。」






ボーン!ボーン!←日付替わる。






桜吹雪「日付が変わりましたね。…………また一つ、越えられましたね。大鳳さんの運命の日を。」





大鳳「…………………そうね。皆、ありがとう。」







大鳳「私はこれからも、皆と共に戦い続ける。……………暁の水平線に、勝利を、刻むまで!!」







〜fin〜

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