僕の世界

□見知った世界
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俺たちが暮らす街はセクレトという中規模都市。港のある王都と内陸の都市をつなぐ場所にある。

そのため、王都に向かう人や王都から帰る人、港から内陸へ向かう人といったたくさんの人が行き交い、街としてそれなりに発展してきた。

人がたくさんいるということはそれだけギルドに持ち込まれる依頼も多い。
俺たちが仕事を探しに来たのはセクレトにいくつかあるギルドのうちのひとつ、[ライズ・ホープ]だ。

「ちわーっす!」

俺---ジャックは勢いよく両開き式の扉、ウエスタンドアを開け、大声で挨拶してギルドに入る。

「ちわーっす!」

「こ、こんにちは…」

リファが俺に続き入り、アルが遠慮がちに後から入ってくる。別に俺たちの馴染みのギルドだし、遠慮することないのにな。

「朝っぱらからうるせーぞジャック!ご近所さんはともかくワシらに迷惑じゃろが!」

俺たちがギルドに入ってすぐ、カウンターの奥から声も図体もデカイ牛獣人が出てきた。

「なんだよ、昔からいつも声が小さいとか元気がないとか、おっさんに言われて来たから大声出してんのに」

「ものには限度があるんじゃ!」

「…あのおじさんが1番声がうるさいと思うんだけど…あとさっきのおじさんの言葉、なんか逆だと思う…」

アルが何か言った気がするけど、今はそれどころじゃない。
おっさんに説教くらう前に話を逸らすことにしよう。
頼んだぜ、リファ!
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