僕の世界

□探求の世界
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王都へ続く道の途中にある関所で、俺たちは休憩を終えて王都へ出発しようとしていた。
「よし、みんな通行証はあるな?」
「もちろん!」
「うん、大丈夫」
「おぅ」
色々と気になることはあるけど、気を取り直して出発だ!

関所の門番は魔法使いらしいエルフの男の人と、屈強な見た目のトカゲ獣人だった。
俺たちが通行証を持って門番の2人に近づくと、エルフの男がヴァイスに声をかけた。
「おや、あなたは…王都にお帰りですか?」
「おぅ。さすがに覚えられてたか」
そういえばヴァイスって王都で 依頼を受けてこっちに来てたんだっけ。
ならその時に関所を通ってるし、珍しい竜人なら覚えられるよな。

「お連れの方々も、通行証の提示をお願いします」
「はーい」
エルフの門番さんの丁寧な言葉に、リファが軽く返した。
俺たちはエアリアさんがくれた通行証を門番に差し出す。
「ギルド『ライズ・ホープ』のエアリア殿が保証人ですか…すごい方に認められましたね」
「えへへ〜」
感嘆する門番さんに、リファは何だか誇らしげだ。
それにしても、こんなところでも名前が知られているなんて、エアリアさんって本当にすごい人なんだな。

通行証を返してもらい、門が開けられた後、トカゲ獣人の門番が忠告してきた。
「ここから王都までは道なりに行けば迷うことはないが…近頃、道沿いで異物が目撃されることが増えている。十分に警戒するように」
それだけ伝えると門番はまた元の位置に戻った。

「また異物と出くわすかもしれないのか…」
「やだなー。帰ってくれないかなー。ていうか、なんでこんなに増えてんのよ」
「うん…でも、文句言っても仕方ないよ」
「心配するなって。倒しちまえばいいんだからなぁ」
ヴァイスの言うことはめちゃくちゃだけど、異物と出くわしたら倒すしかないのは事実だ。
逃げるのもありだけど、逃げ切れる保証はないし、逃げる途中に攻撃されたら元も子もない。

俺たちは気を引き締めて出発した。
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