僕の世界

□失われた世界
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僕たちがここに来てどれくらい経ったんだろう。



僕が今いるのは大きな秘密基地みたいな場所。大人たちはシェルターって呼んでた。

最初は秘密基地だ!探検だ!とワクワクしたけど、ほとんどの場所は子供が入ったらダメだなんだって。ツマラナイ。

僕が入っていいのは、居住区域って場所だけ。大人たちがそう言ってた。
金属でできた無機質で同じような部屋がいくつもある、ツマラナイ場所だ。

どこの部屋も、ベッドと机とイス…。最低限のものしか置かれていない、殺風景な部屋だ。
僕がいる部屋にはベッドが3人ぶんある。僕と、お母さんとお父さんのベッドだ。
僕はもうずいぶん長い間この部屋で寝泊まりしている。

さっき、お母さんとお父さんは大人だけで大事なお話があるって言って、行っちゃった。

…こんな何もない部屋に1人だけだなんて、すごくツマラナイ。
せめてオモチャがあればなぁ。

僕のお気に入りだった『ビーストヒーロー』のグッズは、ここには持ってきちゃいけないってお父さんに言われて、家に置いてきたままだ。
…何もオモチャがないのはツマラナイよ…。

僕はガマンできなくなり、友達の部屋に行くことにした。

ここは僕の他に、もう1人だけ子どもがいる。僕と同い年の女の子だ。

銀色の髪の毛と、金色の目が印象的な女の子。

他の大人たちは遊んでくれなかったので、自然と子ども同士2人で遊ぶようになった。
遊ぶって言っても、オモチャが無いから、お話するだけだけどね。



変わりばえしない居住区域を歩き、突き当たりの部屋まで行く。
その部屋の扉の隣につけられたボタンを押して少し待つと、中から友達が出てきた。



「おはよう、メリル」
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