Changing

□仲間ができたよ
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カナタを連れて…じゃない、カナタに連れられて、辿り着いたのは立派な外壁で囲まれた街だった。

歩いて街の入り口前まで行く時、俺は自分の今の姿を考えて、俺は街に入ってしまっていいのか気になってしまった。

今の俺の見た目は、目つきの悪いデカイオオカミみたいな風貌。

正直、こんなのが街にいたら、子どもが逃げ出すと思う。
いや、子どもどころか大人だって近寄ろうとはしないだろう。

もしかしたら俺だけ街の外で待機とかになるのかなーと、ブルーになっていたが、もう既に街の入り口、門の前に来てしまっていた。

「こんにちはー。街に入りたいんですけど…」

カナタが丁寧な、しかしフランクな調子で門番の若い男に話しかける。

「こんにちは…。えーと、魔獣使いの方ですね?」

明らかに門番の様子がおかしい。
ていうか間違いなく、俺を見て警戒している。

まぁ、今の俺のナリじゃこの反応が当たり前なんだろうが…。
ここまで露骨に警戒されると傷つくぞ。

「こっちは私の相棒のロウっていいます!ちょっと大きいけど、大人しいんで安心してください!」

カナタも門番が俺を警戒していると感じたのか、俺のフォローを入れてきた。

「えぇ、えぇ、わかってますよ。規則なので、身分の証明をお願いします」

「あっ、はい。これで…」

カナタが言いながら取り出したのは、出発前に師匠のジイさんから渡された紙切れ。

俺の視点じゃ何が書いてあるか分からないけど、匂いでジイさんがくれたものだとわかる。

なんかサインか何かが入ってるみたいだから、あのジイさんがカナタと俺の身元保証人ってことになるのかな。
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