memory
□episode6 虚化
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次の日、一護は学校に来なかった。
日番谷達死神は学校近辺に居たが、一護の霊圧は遠くに感じた。
(やっとか…)
隣の空席を見つめながら、棗は一護の向かったであろう場所を思い描く。
棗はペンをクルクルと回し遊んでいる。
(ほな、うちもこないなとこ居る場合ちゃうな)
ペンを放り、
ガタっ、と不意に席を立つ棗は無言で教室を出て行く。
「おいっ!柿本!どこ行くんだ!」
「スンマセーン。気分悪いんで早退しまーす」
ひらひらと手を振って、担任を見もせずに去って行った。
「一護が来とるのに、呑気に学校なんか行っとられんわ」
瞬歩で平子たちのアジトに向かう棗。
一護が休んだ理由は良く分かっていた。
昨日の破面襲撃の際にイヤというほど自覚しただろう。
このままでは勝てない。
内なる虚は何時迄も放っておけない。
(ついでに…。うちも、あいつらに用があるんや)