memory
□episode7 記憶
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目の前で一護があの見るからに怪しいひよ里ウォーカーの文句を言った後、本音をぶちまけた。
やっぱ焦っとったんやな…
しゃーないけど…と思っていたら平子が一護に何かを言って手をかざした直後、一護は気を失った。
「真子…?!いきなり何を…?!」
「一護にはちょっとずつ慣れてもらお思てそのマシーン漕がしとったんやけどな、あいつにはそれが性に合わんかったらしい。
やから直接虚と話つけさせに行かしたんや。
あいつは今から一度完全な虚になる。時間は約一時間。その間交代であいつの相手するで。」
アジト下の浦原商店の勉強部屋のような場所に移動し、ハッチ結界や、と言って一護の周りを囲う。
「棗もやるか?」
「遠慮する。見とくわ、ピンチになったら何時でも参加したるで」
と笑いながら皮肉交じりに返す棗
そんな棗を見たあと、行ってくるわと平子は一護の結界のそばへと歩いて行った。
今日一護の当番だったリサから順に一人ずつ、どんどん虚化する化け物地味てきた一護と戦う。
棗はうちもあんなんやったんかなァと思いふと気付いた。
うちが死神やって何かの理由で現世に来て結構たつけど、虚化って何時身につけたんや?
気付いたら出来るようなっとった(と言うていいんかわからんほどの継続時間やった)けど、普通に考えたら誰かがうちに虚をけしかけたか何かせな虚化はせん。
おかしい。
覚えていない。
記憶喪失なのだから、当たり前と言えばそうだが、今回はヤケに気になった。
一人内在闘争の相手をしている皆の横で考え込む棗
(誰か…知らんのか…?)
【知りたいか?】
自分の中から声がする。
白菊だ。
「知っとるんか?」
【勿論。お前は私だ。故にお前のことは全て私が覚えている】
「何でそれ早よ言わんの!アホ!」
【ム…アホとは何だ。そもそも…まあ良い。お前も来い、我が世界。お前の世界へ】