Till when should I wait?

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朝起きるとギンはまだ寝ていて、私は一足先に布団から出て外に出た


朝日が気持ち良くて、笑顔が零れた…ら良いのにね
相変わらずの真顔で眩しい太陽に目を細める

こういうときギンは元々目が細いから便利だと思う
眩しくないから



「…華、起きてるん?」


「あ、ギンおはよ」


「エライ早起きやなァ。僕もうちょっと寝かせて欲しいわ…」

ギンはモソモソと布団を被りながら二度寝しようとする

でも

「ダメ。もう直ぐ仕事でしょ、イヅルに怒られるよ」


「イヅルかァ…あの子を虐めるんが楽しくてなー」

「余計ダメだよ、ほらサッサと起きて」

「ケチー」


ギンはそう言いながらもニヤニヤしていて、私はため息をついた


「何でそんなに嬉しそうなの」


「えー?そう見える?」

「見える見える。気持ち悪いくらいニヤニヤした狐がね」


「酷いなァ、最近イヅルといい華といい僕の扱い雑やない?」

「雑じゃない」

ギンとのやりとりは楽しいと感じる
もしかしたら百年の間でこれが唯一楽しい事だったかもしれない







「あ、こんな時間だ。私先行くよ」


「ご飯食べへんの?」


「要らない。…お腹空いてないの」


着替えて用意をしていたらあっという間に始業五分前で、それなのに今から朝ごはんを食べようとしているギンを置いて家をでる



お腹は急いでるとかじゃなくて本当に空いてない
それどころか最近食べて無い気がする
そういえばちょっと立ちくらみもするかも


ギンの家から直ぐの隊舎にあと少しで着きそうだと思ったその時





あれ、



世界が回る






頭が反応するより早く気を失い
私はその場に倒れた








気がつくと匂いで分かる
ここは四番隊だ
独特の匂い

そっか、私倒れたんだ



「目が覚めましたか?」


「卯ノ花たいちょ…」


優しく声をかけてくれたのは四番隊隊長の卯ノ花烈さん
百年よりもっと昔から隊長をしていて、私のことを良く知っている一人
と言っても私自身は余りこの人に心を打ち明けていないけど



「私…倒れて」

「ええ。通りがかった隊士の方がら連れてきてくれたんですよ」


「そっか…お礼、言わなきゃ」


朦朧とする意識の中で連れてきてくれた人ありがとー、とその人もいないのに掠れた声で礼を言う



「それより…華、貴女いつからこんな生活を?」


卯ノ花隊長は顔をしかめて私に問うた
卯ノ花隊長にはウソ、つけない。
ついても何百年も四番隊の隊長してるこの人にはバレちゃうから




「…ちょっと前かな」


「体を壊しても何もなりません。頑張るのは良いですが、ちゃんと食事をとってそれから任務にお行きなさい」



私は卯ノ花隊長の言葉に首をかしげた

任務って何?
何のこと?



すると

「現世滞在任務や」





「…隊長」


入り口にいつの間にかギンが立っていて、失礼しますーと言って入ってきた

「僕より先に出たのに隊舎におらんから可笑しいなァ思てたら、何運ばれてるん?」

ギンはわざとらしくそう言って私を見た

「ごめん」


しおらしく謝る私に近寄ってくるギン

「ちゃんとご飯は?って言うたやん」


「ごめん」


そうだ
あのご飯食べてたら倒れなかったかもしれない
ギンの言うとおり食べてりゃよかった
でも最近本当に食欲なかったんだから仕方ないじゃん





って私は思ったけど結局自分の体を痛めつけてるだけだって分かったから、改めて反省した




するとギンはそうそう、と思い出したように先の続きを話す

「華、明日から君、現世滞在任務な。場所は空座町…本来なら十三番隊の管轄で明日から引き継ぎなんやけど、その子が初任務でなァ。応援に行って欲しいんや」


「そうなんだ」

私はきっと強制なんだろうと真顔で言い放った
ていうか何時も真顔なんだけど

「行ってくれるやろ?」


「…それ拒否権ないんでしょ」


「よう分かってるやん」


ギンはニヤッと私を見て笑いかけた


それを見ていた卯ノ花隊長が声をかけてくる

「…そのような大きな任務前に栄養失調で倒れるようでは不安ですね。今日は一日ここに居なさい。市丸隊長、よろしいですね?」




「スンマセン卯ノ花隊長、頼みます」



ギンはそう言うと軽く頭を下げて、私に手を振りながら部屋を出て行った



「…大丈夫なのに」


卯ノ花隊長の計らいによって今日一日休みになった私はぼーっとして過ごした

ギンはほなまた明日の朝来るわ、と言ってサッサと帰ったしその後は誰も来てくれなかった

あ、修兵が来たっけ
そういうのは律儀なんだよね
ていうか私に取り入ろうとしてるだけかな



後は乱菊が来て、栄養失調何てバカじゃないの!いっぱい食べて飲んでしこたま栄養詰め込んでから現世行きなさいよ!そんで、私にお土産買ってきてよね!と言いたい放題言って甘味処の団子を置いてってくれた




最近なんかペラくなったとは思ってたけど、栄養失調だとは気づかなかったよ
倒れるくらいなんだからそりゃ、痩せてるし体も弱ってるだろうね


私は点滴の繋がれた細い自分の腕を見ながら骸骨みたい、と思った






点滴で栄養注入されて少し元気になったし顔色も良くなった私は夜空を見ながら布団を被った



そういえばその一緒に行く十三番隊の子、って誰なのかな


私はそんなことを考えながら昼間も寝たにも関わらずまた眠りに落ちた
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