Till when should I wait?
□08
1ページ/7ページ
ギンは笑いながら、雛森ちゃん死なんで良かったなァ、とか言っていたけど私はそれよりも乱菊の腕が心配だった
私も昔一回受けたことがあったけど、あの刀は最速の刀だから速すぎて伸び縮みの瞬間が見えないし、霊術院を一年で卒業した天才なだけあって、威力もすごい。
…あれ、最長の刀だっけ。
忘れちゃった
兎に角、面倒な刀だってことで、私は牢から脱獄したのは悪いなと思いながらギンのことを考えた
どういうつもりで桃に、冬獅郎に刃を向けたのかな
今まで仲良くない、とはいいつつもそこまで恨まれるようなことをギンがしたの?
冬獅郎はこないだからギンや私を見るとピリピリしてる
あの飄々とした態度がいけ好かない気持ちも分からなくもない
でも、そんなことで?
私には分からないことだらけで、最近乱菊とゆっくり話せてないから情報は錯乱するばかりだし、イヅルは私が牢に入ったことでノイローゼみたいなことになってたし
。
ルキアの処刑日は早まって、私たちが隊舎に帰ってから二十九時間後、一日とちょっとになった
ギンは
「ひゃあー、えらいこっちゃ」
とか言っていたけどその言葉にはこれっぽっちもそんな気無いのに私は気づいていた
ギンの言葉で冬獅郎は怒って、桃は動転したとこを冬獅郎に殴られて。
乱菊は桃に当たりそうだった刀を受けて、ギンと見つめあって
桃と冬獅郎
ギンと乱菊
私と桃、乱菊、冬獅郎。
どんどん、関係が崩れて行く
百年、かけて積み上げたものが
全て。
それを壊すのは誰?
ギン?
旅禍?
それとも、自分?
分からない。
頭を巡るものの、そのワードは繋がらない。
嵌らない。
それに追い討ちをかけるかの如く、ギンは今日も帰ってこない