memory

□episode8 過去編・日常
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---百一年前---


「たーいちょーーー」

「五番隊隊長平子真子さーん」

さっきから自分に背を向けて仕事をしている彼は何度呼んでも全然返事をしてくれない



「…真子?」

仕方なく、恋人の名前を呼ぶ。

「何や、棗?」

いたずらっ子のような笑みを浮かべて此方を見る。
振り向くと同時に彼の長い金髪がサラリと揺れる。


「何やちゃうわ、アホ。呼ばれたらちゃんと返事せえや」



「へーへーわっかりまーしたァー」

こいつ…絶対おもてへんやろ!




「…そんで?何や用か、五番隊第四席柿本 棗チャン?」

うっわ、ガキかこいつ…仕返してきよった


「ホンマキショい。うちのこと四席て呼ぶな。キショいから。」

「さりげなく二回キショいゆうなや…傷つくなァ」

「やかましい」

「傷ついたから慰めてくれん?」

「勝手にゆーと…んっ…」

れって言おうと思った瞬間口を塞がれた。

「…ッん、、、っ!」

ハァと大きな息を吸い込む。

「アホか…急にすんなや…息詰まって死ぬかおもたわ」

「オレの頼み聞いてくれへんからや。大人しいしとき」
再び荒っぽい口づけをされる。

「…んっ…は…し、んじ…」

「何や?ちゃんと言わなわからへんで」

(だから息できんのやって…)
フワフワとした頭になりながら
酸欠の事ことだけが頭をよぎる。

隊首室には二人だけ。

アカン。アカン。

昼間っからこんなことしてって
ええんか。



「…良いわけないでしょう。…お熱いのは良いですけど仕事して下さいね、二人とも」

「…惣右介、分かっとんやったら割り込んでくんな」

そう言って隊首室に入ってきたのはウチの隊の副隊長。藍染惣右介。


「それをするのがボク等の仕事やん?」

第三席、市丸ギン。


「いいところだと思ったので、止めました。」
真顔で言い放つ藍染。

嬉しいような残念なような…

「…あ!ナイス惣右介、ギン!ほんならうちは仕事してくるわー!」

「ちょお待て!棗!!オレだけほって行くなーー!」
叫ぶ平子を放置してほななー!とダッシュで部屋を出て行く棗

何やあいつさっきまでノリノリで誘てきよったのに…

「………惣右介ぇー」

「気持ち悪いです。早く仕事して下さい隊長」

「気持ち悪いて…どないなっとんやうちの副隊長は…三席も…」
はぁと溜息をつく。

「えぇ?副隊長サンはともかくボクは何もしてへんよー?」

「やかましい!お前も邪魔したやんけ!恨むでギン!」

「…そういえば、棗くん出て行きましたけど」

「仕事て、書類ここにあんのにな」

「棗チャンらしいわー」
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