memory
□episode9 過去編・酔っ払い
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「ホンマあいつ何考えとんや!仮にも彼女の前で堂々と女の子と喋った言いよってからに!うちに本に載っとる子みたいに凸凹した体なれゆうんかハゲ真子!!」
棗は今日一日の恨み辛みと疲れを全てこの場にいない平子にぶつけていた。
「凸凹て、お前くびれとか胸とか言えや…」
ひよ里はそれを隣で見ながらおっさんのような物言いの棗に向け言った。
結局平子は逃亡したまま放置して、自分達で仕事を終わらせといた。
それも含めた日頃の鬱憤を晴らすために今は平子以外のメンバーで飲んでいたのだった。
「あぁーストレスたまるわ!あンのアホ、次会うたらぶっ飛ばしたる!!」
むしゃくしゃして叫びながら殴る相手のいない拳を握りしめた。
ひよ里はそれには同感で、
「そんときはウチも呼べや!ハゲ相手に新しい技お見舞いしたるわ!」
とノリノリで平子を思い浮かべた。
そうこうしている間にも、余り酒の進まないひよ里に対して酒豪の棗はどんどん新しい酒を開けて飲んで行く。
このペラペラの体の何処に入って行きよんや…
背はひよ里より高いもののお腹はぺったんこ、手足は細いし、いつ倒れるか毎日不安で仕方ない。
余談だが胸はひよ里と同じくらい。
これを言うと棗は怒るのだが。
ペラペラな体に毎日内臓を痛めつける大量の酒。そして、次の日は二日酔いを理由に仕事をしない体たらく。
こんな生活を続けていたらおばさんおばあさんになったときどうするのか。
急に棗の将来が心配になるひよ里だった。