memory

□episode18 尸魂界・弐
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日が落ちるまでまだ時間がある。

既に乱菊に会ってしまっているのでこれ以上誰に会っても浦原に怒られるのは変わらないと思っていた。


というわけで、開き直って瀞霊廷探索を楽しんでいた。


「いやー、年寄りみたいやけどホンマに懐かしいなー」


てくてくと歩いていると、大きな屋敷が目に止まった。

「あー!ここ白哉ん家や!相変わらずデカイなァー!」


そう、この大きな屋敷は朽木邸。
昔、夜一と白哉と遊び(からかい)に来たのを思い出す。


流石に中に入るのは自殺行為なので外から改めて大きさに感心していると、


「そこで何をしている」

屋敷の者に見つかってしまった。


(…あらァ。見つかってもうた。…まァ、この家でうちのこと知っとるのなんか白哉位やから大丈夫…)


と思って振り返ると。


「びゃ、白哉…」

昔よくからかった青年が成長して、隊長羽織を着て立っていた。

「…何故貴様がここにいる」

「あはは…気にしなや!それより久しぶりやし、遊ぼ!」

誤魔化して、別のネタを提案する棗。


「…誰がやるものか」


「えー?昔はよう鬼ごっこしたやんー!あ、鬼ごっこ嫌いになった?」

「昔も好きだと言った覚えは無い。それに今は仕事中だ」

「えー?ここ自分家やろ?」

「自身の家に書類を届けに来てはならぬか?」

「いや、そないなこと言うてへんけど…」

棗はそう言ってバツが悪そうに目を逸らす。

何やちょっと見ん間ァに冷めてもて…。
あのからかい甲斐のあった短気な白哉はどないしたねん。
話にくーてしゃーないわ…。


「それより先の質問に答えておらぬ。何故貴様がここにいる」

「…散歩や!」

「そんな答えで私が納得するとでも?」

「びゃ、白哉には関係ないやろー。…うちは忙しいねん。ほなな!」

これ以上話していると無理矢理にでも聞き出されそうで、面倒になった棗は有無を言わさず、白哉を放置して屋敷を後にする。



後に残された白哉は

「…結局彼奴は何をしに来たのだ…」


と呟いて、棗が走って行った方を見つめた後、自分の六番隊隊舎へと戻っていった。
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