Till when should I wait?
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次の朝、卯ノ花隊長にバッチリ退院許可をもらった私はお礼を言って迎えに来てくれたギンと穿界門へと向かった
「大丈夫なん?」
「大丈夫だよ。ていうか昨日も大丈夫だったけど」
「昨日の華は顔色真っ白やったで?あれはあかんわ」
「…元気になったからいいでしょ」
その割りには足元フラついてるで?とギンに言われたけど無視
そうこうしてるうちに穿界門に到着して、何やら門の周りには人が集まっていた
たかだか三席と一般隊士の任務如きでこんなに人が集まるものなのか
疑問に思いながら私はその様子を黙ってギンと見つめていた
「…それでは言って参ります」
「行ってらっしゃいませ、朽木ルキア様」
「じゃあな、朽木!頑張れよ!」
「大丈夫よ!不安な時は私か浮竹隊長を思い出して!」
「馬鹿野郎!ハナクソ女!朽木!こいつじゃなくて俺を思い出せよ!」
「はぁ…」
「何あれ」
私は意味が分からなくてギンの方を見た
するとギンは物知り顔で
「あれは四代貴族朽木家の養女、朽木ルキアちゃんや、あの子が一緒に任務行く子や…って言わへんかった?」
「聞いてない」
「あちゃーゴメンな」
ギンは謝ってるのかそうじゃないのか微妙な顔でそう言った
私はため息をついて諦めた
こんなの何時ものことだ
何度私に重要な伝言言い忘れてイヅルに怒られたと思ってるの
「もういいよ、じゃ行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
手を振って見送るギンを一目見て、今日からこいつと一月会えないんだと思うと珍しく無性に胸がチリチリと痛んだ
だから最後に一回だけギンの唇に背伸びして、口付けをする
「…どないしたん」
「 別に。ひと月会えないんじゃギンもさみしいだろーと思って前払い」
「そら、おおきに」
幸い十三番隊の人達は朽木ルキアに声をかけていて、私たちには目もくれなかった
彼女の周りには明らかに死神ではない者もいて、多分家の者だろうと推測した
彼女ほどの家であれば、養女とはいえ初任務だ
応援の言葉でもいいに来たのだろう
あれ?
朽木…って白哉の妹なの?
にしては白哉の姿が見えないけど
私目の前の少女を見て六番隊隊長の朽木白哉を思い出した
そう言えば随分前に白哉の妹が十三隊に入ったと聞いたっけ
貴族の家の子だから対応に気を遣うと下級隊士が愚痴を零していたのを飲み屋で耳にしたのを覚えている
ふーん、白哉の妹ね…
何か弱そうだね、そんなんで任務とか大丈夫なの?
私はゴメンなさーい、とその間を通りルキアの横に立つ
「おお、来たか東雲。今回は朽木を頼むよ」
十三番隊の隊長の浮竹さんは私に気づいて声をかけてくれる
「勿論です。ルキアも宜しくね」
私は浮竹さんにそう挨拶して、初対面のルキアを呼び捨てにして向かい合う
ルキアは戸惑いながらもこちらを見て返事をした
「は…はい!こちらこそ宜しくお願いします!東雲殿」
「東雲殿って…堅苦しいな。面倒から華でいいよ」
「いえ!でも「二度は言わないよ」
ルキアの言葉を遮り、私がそう言うとビクッと怯え、…はい…華殿と言った
それもあんま変わってないじゃん
、と思ったけど仕方ない
そういうお家なんだから治しようがないんだよね
「じゃ行ってきます」
そして私とルキアは穿界門に足を踏み入れた
目指すは東京都
空座町