Till when should I wait?
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よっぽど部屋が汚いのだろう
喜助さんの体は短時間で埃だらけになっていて、その両手に義骸を抱えていた
「ささ!お先に朽木サンからどーぞ!」
「うむ…」
同意したルキアは義骸に入ると手をグッパして、動きを確かめる
「ね、大丈夫だって言ったでしょ」
「ええ…本当に感謝する」
私がルキアにそう言うと、ルキアは喜助さんに礼を言った
喜助さんは謙遜してあまりおおっぴらには自慢しないが、これは本当に凄い技術で。
私も入って初めて気がついたけど、ほんとに技局の作る義骸とは比べものにならないくらいピッタリで、改めて喜助の精密に驚く一方でどこで測ったんだと思い彼を見た
涅さん辺りが喜んで解体とかして調べちゃうやつだよ
と考えながら私も手を開いたり閉じたりしてから体を伸ばす
「…ん、つかれたー。喜助さん寝てもいい?」
私は大して仕事してないくせに眠気と疲れに襲われて早く寝たかった
喜助さんは快く了承してくれて
「どうぞ。ていうか華サンここに住みますか?まだ滞在先決まってないんっスよね」
「うん」
「ならば!」
そう言って喜助がノリノリで私たち二人に渡してきたのは、現世の服
「えー、喜助さんこんなのが好みなんだー」
ちょっと趣味を疑って私はじーっと喜助を横目で見る
「違うっスよ!それは黒崎サンの通ってる空座第一高校の制服っス!朽木サン、あなた黒崎サンに全て霊力を奪われてしまったんスよね?ということは今、この町にいる死神は華サンと黒崎サンだけ。勿論華サンが弱いとは言いませんが、アタシは彼女の強さが分かりませんし万が一ということもありますから
学校に潜入して、黒崎サンを偵察して来て下さい。彼を監視しつつ、死神代行として働かせてくれれば上手く仕事も回るでしょう?」
長々と説明した喜助はじゃ!どーぞ!とノリノリで制服を渡してきた
私は上から下まで見て、まあ可愛いからいいかと抵抗するのも疲れるのでやめた
「もう今日は用事ない?」
「そう…っスね。それじゃお休みなさい華サン」
「おやすみ…」
私は用事が終わるとすぐに横になり、布団も敷かれていない畳の上に義骸に入ったままで寝転がった
「それでは私は失礼する」
ルキアは制服を受け取り、華が寝たのを確認すると立ち上がった
「朽木サンはここに泊まられないんスか?」
浦原はそのつもりで実は布団も用意してたんスけど、と言葉を漏らしたが
「いや、いい。私はその黒崎とやらの様子を見てくる。それに明日から通う学校なるものもな」
「そうっスか。それじゃお休みなさい」
「ああ」
ルキアは喜助に挨拶を済ませると、夜の空座町へ慣れない義骸で繰り出して行った