Till when should I wait?

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「じゃあ、行ってくるね」


「はい、行ってらっしゃい」


喜助さんに手を振られ、適当に振りかえしながら店を出る


店から大通りに出る路地を抜けると角にルキアが立っていた


「あ…お早うございます華殿」


「お早う。でもその呼び方は人間の前ではしないでね」


ルキアと合流した私は並んで歩き出す





「すいません…。では何とお呼びすれば?」

「何でもいいよ。適当に下の名前呼び捨てでもチャン付けでもあだ名でも。…上の名前じゃなければね」

ルキアは分かりました、と渋々了解して、

「それでは華さんと呼ばせて頂きます」


と、言った


私は何処と無くさん付とかされるとむず痒くなるんだけど、仕方ない


「私はルキアってそのまま呼ぶから、人間にそのことで何か言われたら適当に理由つけといてね」


私はルキアに言い訳を任せて、喜助さんに渡された伝令神機をいじり始めた


「華殿も彼奴から貰ったのですね。虚が出たら連絡が来るという便利な機器…伝令神機を」


「うん。喜助さんに頼んで一番高くて可愛いいの頂戴って言ったの」


「えぇ!?…大丈夫なのですか?」


「嘘。ルキアと同じやつだよ」


「…そうですか」



ルキアは私の冗談を間に受けて驚いたけどそんな反応をよそに私はスタスタと歩き続ける




嘘だよ
そんな百年ぶりに会ったからって子供みたいな駄々こねたりしない



私は心は凍っているはずなのに、口からはいくらでも出る嘘に自分でも感心しながらルキアと学校へ向かう



二人で学校まで歩いて、先に言われていたように職員室へ。


担任は気前のいい女の人で、なんか色々適当だったから楽そうだ


担任に連れられて教室に向かうと、私たちが入った瞬間にクラスは静かになって、担任の話に耳を傾けた



「この二人が今日から転入してきた!皆仲良くしてやれー!…それじゃ自己紹介頼む」


話を振られ、先にルキアが喋る


「朽木ルキアですわ!宜しくお願いします」

…なんか言葉遣いおかしくない?
私は先程までとの態度と喋り方の違いを感じてルキアの方を見た


昨日いなかったからわからないけど、ルキアの喋り方は現代っぽくないから勉強したのかもね



「じゃ、次!」


「東雲華です。宜しく」


順番が回ってきた私は何のひねりもない自己紹介をした

にこりとも笑わない私にクラスの人間も担任も何て言ったらわかんないって顔だった



「あ、…取り敢えず自己紹介も済んだし席についてくれ。朽木はそこで、…東雲はそっち」


戸惑いながらも担任はそう言って、
指示された席に着くと私たちは一つ席を挟んで隣だった

隣の席は空席で休みのようだ

ルキアは担任がHRを終えて出て行くと直ぐ近所の席の子に話しかけられていたが、私のとこには誰も来なかった


まあ当たり前だけどね
それに任務期間しかいないのに仲良繰するのも面倒だし





そう思って、カバンから筆記用具を取り出し、一人黙々と授業の準備をしていると


「東雲さん!」


女の子が話しかけてきた


「何?」


「私井上織姫!!宜しくね!」


「…うん」


織姫はこんな仏頂面の私にニコニコと笑顔を振りまきながら話しかけてきた

多分クラスでも人気なんだろう
話しかけている間ずっとこちらを男が見てきていた


織姫は聞いてもいないのにペラペラと沢山喋ってくれて、適当に相槌を打つだけで話が進むので楽だった


そういえば昨日から私、面倒か楽でしかものを考えてない気がする



隣を見るとルキアは一晩で習得したと思われる変な現代語でクラスの人間と話していて、私はチラとだけ見て目をそらした




(…ていうか黒崎一護はどこなの。まさかこの空席があの子とかじゃないよね)

私は一人ごちてそう考え、まあそれはそれでいいや
と、思った
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