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□祈さんに足舐めプレイをさせたかっただけの話
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【祈さんに足舐めプレイをさせたかっただけの話】





ことの始まりはいつもの何か企んでるような笑顔が気にくわなかったから。
何時でも余裕たっぷりに笑ってるから腹立たしくて。

「変態」

投げかけた言葉にダメージなんてあるはずもない。
むしろ、服にかけていた手を止めてますます何か企んでる顔になるから。
我ながらなんでこんな厄介な人と付き合ってるのか不思議になる。

「今日は普通にしようと思ってたけど……」

にっこりと綺麗な笑顔で笑うと紗枝は私をベッドに腰掛けさせる。

「紅愛のお望みならそれもいいかも?」

…言わせて貰うけど、私は何の催促もしてないわよ。






…ぴちゃり、と。
断続的に湿った音が耳に届く。
何をされるかと、身構えたのに紗枝の行動は予想外で。

「…っ………」

くすぐったいような、むずむずするよな、何とも言い難い感覚。
確かに今までされた事がない、とは言わないけど……こんな風にされるのは初めて。
脱がされたニーハイと跪いてる紗枝の頭を見下ろして。
呼吸が変に乱れるのを悟られたくない。

「……あんた、Sだと思ってたけどMもいけるのね」

言えば跪いたまま私の足首を持ちそれに舌を這わせていた紗枝が上目遣いに私の顔を見る。
……この女のこういう顔はゾクッとするような色気がある。
それは今からのことに対する恐怖からの寒気かも知れないけど。

「んー、たぶん、Sだとは思うけど」

指を順番に舐めあげるから反射的に足をひくけど、がっちり掴まれてて逃げられない。
さっきから背筋を抜ける変な感覚が抜けきれずに体の奥に残ってる感触がする。
それこそ、この女の思惑通り。

「紅愛の声が悲鳴に変わる瞬間が一番好きだし」
「こっ……の、変態っ!」
「今それを実践中」

足首に触れていた唇が徐々に上がってくるから、体が逃げる。
瞳を閉じたまま、紗枝の唇が膝に触れるから思わずスカートを強く押さえる。

「…それじゃあ、出来ないんだけど?」
「しなくていいわよ!なんでそこから行く気なのよ、あんたは!」

膝頭を舌先で舐めながら、紗枝は不服そうに顔をしかめる。
その顔の意味が解らない!
順番てもんがあんでしょ?普通!

「たまにはマンネリ防止に逆から行くのもいいかと思って」
「ちょっ!……っぅ!」

なんなく人の手を外して、スカートをたくし上げると今度は太股に唇を押し付けるから。
喉の奥の方で呼吸が変な色を持つ。

「紅愛も嫌いじゃないみたいだし」
「……っんな…ところ……で喋らない…でっ!」

調子に乗った唇がそのままどんどん上に上がってくるから慌てて、トレードマークのおさげを力の限り引っ張る。
…こんなやり方、私は嫌なの!

「…どうかした?」
「………………………唇が最後なんて嫌だから」
「………………………」

にやけた笑顔の変態は一瞬だけ惚けたような顔をすると、また悔しくなるくらい綺麗な笑顔になる。
それから私の足から手を離すと立ち上がり……押し倒してくる。

「キスがお望みならそう言えばいいのに」
「…うっさいわよ」

毒づきながら、それでも抱き締められる位置に来た体に安堵して。
さり気なく背中に腕を回させる手を指先で撫でて、頭を紗枝の肩に預ける。
いつもの定位置。

「……いいから、さっさとして」

瞳を閉じて耳元で囁く。
……こういう望みは叶えてくれると分かってるのがまた腹が立つ。













瞳を閉じれば余裕たっぷりに笑ってる顔も見なくてすむでしょ?




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