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□Hit Me With Your Best Shot
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【Hit Me With Your Best Shot】




覗きやその他のアレやコレを繰り返してる割には(…他の人を知らないから比較は出来ないけど)うちの恋人は淡泊だと思っていた。
お行儀良く躾の行き届いたお庭番は確かに飼いやすいけど。

「…これ、貴方の?」

ベッドの下から出てくる大量のいかがわしい物を手に問い詰めたのは彼女のルームメイトで私の幼なじみ兼元刃友。

「…………それ、本気で聞いてる?ゆかり」
「…そうよね」








…気をとりなおして。
パラパラと捲っただけでも肌色率の高さは把握出来た。
まあ……、知ってはいたけど。

「綾那」
「…はい」
「順のパソコンどこにあるの?」
「………ごめん、順のそのコレクションを観るつもりなら私は今すぐに出て行くけど」
「まさか、貴方も一緒に観てるんじゃないでしょうね?」
「まままま、まさか!あいつは勝手に一人で夜中に観てる!ヘッドホン着用で!偶に音が漏れてて後頭部殴ったりはするけど!」
「…どのくらいの頻度で観てるの?」
「いや、ゆかり!何で私が責められるみたいな事に……!?」
「あの人がいないからよ」

逃げ出したいのか腰を浮かすけど、逃がさない。
がっちりとジャージの裾を掴むと情けない顔をするけど今の私には関係ない。

「…あの人、欲求不満なのかしら?」
「心から答えたくないし、心からそんな事を聞いて欲しくない」
「……私じゃ足りないの?」
「…………………………なんかもう死にたい気分」

今度はしっかりと雑誌のページを捲って(ちゃんと反対の手で綾那のジャージはキープ)。

「…これ、何が楽しくて見るのかしら?」
「あいつは淫魔だから、それが生きる糧なんだよ」
「私じゃ糧にならないの?」
「使えるか使えないかはあいつに聞いてくれ!」
「…使える?」
「………それもあいつに聞いてくれ」



その後、数時間ほど綾那を問い詰めて(順のパソコンも出して来させた)、思ったことは一つ。
セーブさせているなら可哀想な事をしている、と。

「…ゆかり、まずあいつのエロ度を見直すべきだと思う」
「足りないかも知れないんでしょ?」
「いや、そうじゃなくて………ああ、うん、足りなくてたぶんこんなの見てるんだと思うよ」

足りないなら『足りない』と言うべきでしょ?

「…あの人、どいうのが好きなの?どれを一番観てる?」
「………ゆかり、勘弁して」

加減されてれるのか、それとも私じゃ本気にならないのか。
そこははっきりさせておきたいのよ。

 


 
 
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