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□”Love is when mommy gives daddy the best piece of chicken.”
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質問者:久我順
解答者:祈紗枝・無道綾那
「ずばり!お二人にとって『愛』ってなんですか?」
「あい【愛】@親兄弟のいつくしみ合う心。広く、人間や生物への思いやり。A男女間の相手を慕う情、恋。Bかわいがること、大切にすること。その他に…」
「…そこら辺でいいんじゃないですかね、祈さん」
慣れた調子に祈さんを遮って、じっとりした目でこっちを見るのはたぶん『お前は聞く相手を間違ってる』って意味だとは何となく分かったけど。
部屋を訪ねれば珍しく仲良く二人揃ってお出迎えしてくれるから部屋にお邪魔して。
「んー、だって、それ無道さんのいる前で私に質問する?答えにくいじゃない」
「一体、何を言う気なんですか」
「どれだけ無道さんが可愛いか」
「それだとたぶん質問したい内容と解答が食い違うと思いますけど」
あたし的には無道さんの可愛さについて散々語っていただいてもいいんだけど。
それだとたぶんこのおねえたまは間違いなく性的なことを話しだすって言うのはあたしも綾那も分かってて。
「えーっと、性生活以外って言うか、とりあえずそれ以外の答えだったら嬉しいんですけど」
「だいたい、なんであんたにそんな事を答えなきゃいけないんだ」
「可愛いお子様が疑問に思って尋ねてることに答えないとか綾那さん心がせまーい」
「ああ、いい。私の心はとことん狭いからあんたをここに置いておく余裕も無い。出てけ」
「ほら、無道さん。そんな拗ねたこと言わないで答えてあげればいいじゃない」
くいっ、と頬を引っ張って綾那を沈黙させて。
『答えてあげれば』って言ってたおねえたまはそれでも自分の分は答えてくれそうにない。
「愛って………んー」
しぶしぶ、それでも律儀に考えだす綾那はとことんおねえたまに弱い。
この人こそ単語一発『祈さん』とか答えたそうだけど。
「んー……『手』か?」
「はい?」
え?なに?『指』ならなんだか意味が分かる気もするけど、なんでそれ?
綾那さん、手フェチ?
「いや、これだとイメージになんのか、んー、わからん」
仏頂面でパタパタと手を振るからそれの意味を説明して欲しい意図を祈さんに目で懇願すれば再度引っ張られる綾那のほっぺた。
「はーい、ほら、ちゃんと説明してみてねー」
「っ!その子供扱いはやめてください。説明って言うか……それで連想したのが『手』だったんです。頭叩いたり、撫でてくれたり、私の手を握ってくれたり、優しく背中叩いてくれたり、抱きかかえてくれたり、そういう……………どうしました、祈さん」
「ううん、そこで私についてのエピソードかと思ったら相変わらずのシスコンっぷりを発揮してくれたことに拗ねる通り越して怒ったりしてないわよ」
「いや、怒ってますよね。それ」
「ふーん、手が好きなんだ、無道さん。ふーん」
「……い、祈さん?」
………あ、なんかあたしもしかしてヤバい感じの爆弾投げこんじゃったのかな?
焦る無道さんとにっこりと笑う祈さんに引き気味に『お邪魔しましたー』を告げたけど、あれじゃたぶん二人の耳には入って無さそう。
「今夜はじゃあ手を使うの禁止ね、無道さん」
「……本気ですか、それ」
…………まあ、それなりに楽しそうだったからいいのかな?