twin in heart world
□Vendetta
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♥「(ぼー)…………」
チュンチュン…
うつ伏せに寝てた頭をあげて見る景色はオリーブ色
重い……
体が重い…
隣を見ると規則正しい呼吸をして寝ているエース。
嗚呼…エースと迷子の旅に出てたんだっけ?
A「んにゃむにゃ…」
ガッチリと腕だけでなく…ご丁寧に足まで使ってホールドされている。
…私は抱き枕かなんかかよ……
どおりで重たいわけだ
眠るエースは幸せそうで
♥「(こんな顔もできるんだ…)」
寝顔はいつもより幼く見える
ムズムズ…
起こさないように慎重に体を半回転させてエースと向き合う体制になる
つんっ
好奇心に負けてエースの頬を突っつく。
ああ、これじゃぁエリオットの耳を引っ張る朝日に文句が言えないな…
A「ん〜」
ちょっと顔をしかめるが起きない。
整った目鼻立ちに年中外にいるくせに日焼けもない綺麗な肌。
私より肌綺麗なんじゃないか…
ちょっとムカついてさらに突っつく
つんつんつん
A「楽しい?」
起きたようなので遠慮なくさらに触る
ムニムニムニムニ…
♥「なんかムカつく」
変顔にしてやろうとしてもしても元がいいのでブサイクにならない
憎たらしいな…
A「ふぁぁ…」
♥「あ、ちょ…」
エースがあくびをして伸びをした為
お遊びタイムは終了
A「君は朝から刺激が強いな〜」
♥「はぁ?」
意味が分からない
朝から顔突っつく事がそんな刺激の強いものなのか?
A「うーん…食べてもいいのかな…?
いっか。据え膳食わぬは男の恥っていうもんな!!!」
♥「はっ?ちょっ…!?」
せっかく起き上がったのに簡易布団に逆戻り
見えるのはテントの天井とエース
A「そんな格好で…誘ってたんだろ…?」
プチッ☆
何かがキレた
♥「ふんっ!!!」
ドカッ
A「ぐっ!?」
♥「あんた…ふざけてるわけ…?」
エースの脇腹(多分鳩尾)に膝を思いっ切り打ち付ける
確かに今私は下着にワイシャツ1枚と言う超軽装である。
何処ぞのギャ●ゲかエ●ゲかっつー
格好である。
だが
♥「誰が好き好んでこんな格好するかよ。あんたのせいでびしょ濡れで寝る前にパンツ(ズボン)の方は乾かなかったんだろうが!!!」
A「俺のせいでびしょ濡れのパンツが乾かな「もう一発いる?」何でもない」
脇腹なんて優しすぎたか…急所を付いてやればよかった…
そんなブラックなことを考えながら着替えを済ませ朝食(夕方だけど)を作ってるエースの元による
♥「なんか手伝うことある?」
A「あーそっちのパン見てくれる?」
♥「ん」
網の上で焼かれているバケット
ちょうどいい感じに焼けていて美味しそうだ。
…つーかこいつテントやらなんやらいつも何処に装備してんだよ…
聞いてもきっと教えてくれないだろうしあえて聞かずにエースの焼いていたベーコンエッグを乗せて食べ始める。
だから卵なんて壊れ物何処に…
A「いっひゃらきまー」
♥「どうせ言うなら言い切ってから食い始めろよ…いただきます」
あ、うまい
なんかあれ、あれ思い出す。何だったけ…空から女の子が降ってきて…最後おっさんが目がっ目がっ!!!って騒いでたやつ…
どうでもいいか…
A「そう言えば月夜はどんなドレス着るの?」
♥「は?」
どうしてそうなった?
食後に紅茶を渡されてついでみたいなふうに言われたけど
♥「意味がわからん」
一体何のことやら…
A「もしかして聞いてなかった?
もう直ぐうちの城で舞踏会があるんだよ」
♥「へー…
でも私は一応帽子屋屋敷所属な訳だし関係ないだろ」
確かにビバルディとは仲いい方かもしれないけど、身分があるわけでもないしお城の舞踏会なんて招待なんかされるわけが無い
A「いや、帽子屋さん達もくるよ?役もちは強制参加がルールだしね。」
マジか…
この世界ではルールが全てである。
それがルールならまず間違えは無いだろう
《 お嬢さんは常識…TPOは守る方ではあるな?》
前にブラッドが言っていたのを思い出す
♥「(あーのー腐れ帽子!!!)」
言質取られた!!!
ワナワナワナワナ……
A「なーなーどんなの着るんだ?」
♥「いかない」
A「え?」
♥「スカートなんか着ない!!!ドレスなんて着ない!!!
スカートなんてこの世から滅べばいいのに」
A「そこまでなんだ」
ぜーはーぜーはー…
久しぶりにここまで全力で喋った。
A「君…スカートに何の恨みが…」
♥「嫌い……絶対逃げ切ってやらる…」
メラメラと何かに燃える
A「何でそんなにスカート嫌いなんだ?」
♥「……忘れた…」
A「え?」
何だか理由があった気がするんだけど思い出せない
それを思い出そうとするとなんかもや?みたいなのが頭にかかって結局どうでも良くなってしまう。
A「忘れてしまうぐらいなんだからそれまでのことだったんじゃないのか?
君のドレス姿みたいなー」
♥「諦めて。絶っっっっっっ対に着ないから」
これだけは譲れない。
確かに忘れてしまっているがこう…何ていうか大事なことだった気がする。
何だったか思い出せないんだけど…