その他

□カエル畑でつかまえて
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もし風羽が浄化体質ではなく無穢体質のままだったら






風「ただいま帰りました。」


小学校から帰宅した風羽は静かな部屋の様子に祖父が不在なことを知る。


ランドセルを自室に置いてすぐに帰宅したことを仏壇に報告した。


チーン


風「お母さん、ご先祖様ただいま帰りました。」


仏壇に手を合わせて、お茶でも飲もうと立ち上がり風羽は固まる。


「よお。」


そこに我が物顔で寛ぐ青年が片手を挙げてニヤリと笑った。


風「烏天狗様…一体いつの間に?」


「ついさっきや。お前が帰ってきたときに一緒に入っただけやで。」


風(全く気付かなかった。)


『精進せねば。』と小学生女児とは思えない思考を読んだのか、烏天狗はクスッと笑った。


「風羽、こっちにおいで。」


手招きすると、風羽はトテトテと近付き烏天狗の膝に座る。


母が亡くなり、祖父と二人暮らしになってからはたびたびこの烏天狗は菅野家にやって来ては他愛ない話をして食事を共にし、たまに一緒に風呂にも入って風羽の面倒を見ていた。


父親代わりかと聞けば『アホ抜かせ。』と軽くではあるが張り倒された事もあった。


曰く、母と約束したのだと。


どんな約束なのかは教えてくれなかったが、風羽は彼が傍にいてくれるのが嬉しかったので詳しく聞く気はなかった。
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