その他

□鬼灯の冷徹
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ここは桃源郷。その一角に神獣 白澤の店兼住まいがあり今はどうやらお客がいるようであった。


白澤「は〜いお香ちゃん。いつもの薬とオマケだよ〜」


カウンターで商品を渡してニコニコとお香にお茶を差し出す。


お香「あら、いい香りですわね。これは何のお茶ですの?」


白澤「寝不足に効く中国茶。この茶葉も一緒に入れておくから衆合地獄の皆にもあげてよ。」


お香「ありがとうございます白澤様。そうだわ。これ、鬼灯様にも差し上げても?」


茶葉を受け取りいい思い付きだというように手を打つお香に白澤は肩を竦める。


白澤「アイツに?そりゃ、それはもうお香ちゃんにあげたんだしお香ちゃんの好きにしてもらっていいけど………何か勿体無い。」


ブゥと唇を尖らせる白澤。しかしお香は少し困ったように手を頬に当ててため息を溢す。


お香「鬼灯様、また眠ってらっしゃらないの。今日もここに来る前に閻魔殿に寄ってきたのですが少しフラフラしてらして。」


白澤「ありゃま。また三徹くらいしたねそりゃ。」


ケラケラ笑うが白澤の頭の中では既に栄養材の材料を検索していた。


お香「白澤様、何か鬼灯様にお薬差し上げて下さいな。見ているこちらがハラハラ致しますわ。」


白澤「お香ちゃんの頼みなら仕方ないね。後で診に行ってあげるよ。あのスカポンタンをさ。」


やれやれと大袈裟にリアクションする白澤を見てお香は安心してお茶を飲み干すと店を出ていく。


お香「お願いしますね白澤様。」


白澤「は〜い頼まれました。またね。」


お香が居なくなると白澤は薬棚を見る。


白澤「………うん。やらせてみようかな。」


思案顔で一つ頷くと、必要な材料を出してテーブルに並べた。そして芝刈りから帰って来た桃太郎にニッコリとあることを命じるのであった。
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