忍たまの部屋

□一年の私と六年の私4
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学園に帰ってきた乱太郎はいきなりの襲撃に目を瞬かせる。


潮「何者だ?ここを忍術学園と知って侵入したのか?」


七「見ない顔だな。一体どこの城の忍者だ?」


食「目的は何だ?学園長先生の御命か?しかし残念だったな。このように大胆に侵入すれば捕まえてくれと言っているようなものだろう。それに今宵は俺達が鍛練していたのだから見逃す筈もない。」


それぞれ武器を携え乱太郎を囲うのは六年い組 潮江 文次郎。同じくろ組 七松 小平太。同じくは組 食満 留三郎。


乱「………………」


それを黙って見上げる乱太郎に七松が潮江を小突く。


七「おい文次郎、こいつ固まってるぞ?」


潮「俺達にこうもあっさり捕まったからだろ。小平太、縄は持ってないか?」


七「いや?留三郎は持ってる?」


食「流石に持ってねぇよ。長次や仙蔵がいれば持ってたかもな。」


潮「伊作なら包帯か?」


七「あぁ確かに。」


乱太郎を放っといているように見えるが、流石は六年生。常に意識は乱太郎(侵入者)に向いている。


土「待てお前ら!止めろ!」


そこに乱太郎の悲鳴を聴いて急いで塀を飛び越えて来たのは土井。


潮・七・食「土井先生?」


土「大丈夫か?怪我は?」


土井が手を差し出すも何故か乱太郎は三人を見詰めたまま動かない。


土「おい?どうしたんだ?ι」


食「土井先生、ソイツは知り合いですか?」


何だか当たり前のように手を差し出し、更に動かない乱太郎を心配する土井に食満が問う。


土「ん?あぁこの子は…」


潮「何だか誰かに似てないか?」


土井が何か言う前に文次郎が唐突に言う。


七「ん?誰かにって誰に……
あっ!乱太郎か!?」


ポンッと手を打つ七松に食満も頷く。


食「あ、確かに言われてみれば赤毛も眼鏡も翡翠の瞳も共通しているな。」


一度そう認識すると何だか襲撃したことを申し訳無くなり、おまけに土井の知り合いっぽいので武器を仕舞う。


食「土井先生の知り合いなら敵では無いのだな?俺は六年は組の食満 留三郎。すまなかったな。大丈夫か?」


七「同じく私は六年ろ組の七松 小平太だ!今宵は私達三人でいけいけどんどーんと鍛練をしていたのだ!」


潮「俺は六年い組、潮江 文次郎。この学園で常にギンギンに忍者をしている忍たまだ!」


三人が自己紹介をすると乱太郎は更に目を見開き、しかし徐々に『プッ……………くくくくっ!』と肩を奮わせるほど笑いを耐える。
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