らんま1/2夢の部屋

□許嫁は女の子?いいえ男の子です
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早「おーい、かすみーなびきーあさぎーあかねー」


ある朝の事、『無差別格闘流天道道場』の主、天道 早雲が娘4人を呼ぶ声がした。


うえ2人の娘はすぐに揃うも双子の末娘のあさぎとあかねがいない。


早「あさぎーあかねーおらんのかー?」


あさ・あか「ただいまー!」


しかしすぐに2人の挨拶と庭での破壊音に、いつものランニングから帰ってきてブロック割りをしているのだとわかった。


あか「あー、良い調子!」


あさ「何もブロック割りを毎日しなくてもいいじゃない、あかね。それ片付けるの面倒なのに。」


しかしブロック割りをしているのはあかねだけであさぎはその前で汗を拭っている。


そこに姉、なぎさが呆れたように近付いてきた。


な「まーたあかねはー。そんなことばっかやってるからまともにモテないのよ。」


あか「余計なお世話よ。それにあたしはあさぎがいてくれれば良いの!おねーちゃんと違って男なんか大っ嫌いなの。」


あさ「あかね〜…ι」


あさぎは双子の妹の行く末に心配でならなかった。


な「ふーん。じゃあこの話あんた達に関係無いか。」


あさ「? なぎさおねーちゃん何の話?」


な「お父さんがあたしたち4人に話があるのよ。居間に集まってってさ。」


それに顔を見合わせる双子はとにかく行こうとなぎさのあとに付いていった。


4人「許嫁?」


早「うん。父さんの親友の息子でな。早乙女 乱馬君というんだ。

お前達4人の誰かが彼と結婚して道場を継げば我が天道家も安泰だ!」


勝手なことを言う早雲にあかねは憤慨する。


あか「ちょっと待ってよ!勝手に決めないでよ!あたしは嫌だからね!」


か「そうよお父さん、会ったこともないひとと。」


かすみものんびりではあるが拒否を示す。なぎさは関係ないと言うようにジュースを飲んでいるが、あさぎもあまり関心は薄いようで庭を眺めていた。


あさ(あ〜…雨が降ってる。ランニングの時じゃなくて助かったなぁ。)


早「もーすぐ会えるよ。」


娘達の反論は予想ずみだったのか腹の立つ笑顔で親友から貰ったハガキを見せる。


あさ「『前略 らんまをつれていく。 中国にて 早乙女だよーん』……ふざけた文章ね。随分と字が震えてる。それに中国って…」


早「早乙女親子は武者修行の旅に出ておってなぁ。最近は中国に渡っていたらしい。」


な「へぇー中国!」


なぎさは興味をそそられたらしいが、あかねはそっぽを向いてしまう。


あか「だからって強いとは限らないわ。」


あさ「あかね、乱馬君の前でその態度は止めなさいね。」


な「ハンサム?」


あさ「なぎさおねーちゃん、ハンサムでも性格はわからないのよ?」


か「いくつなのよ?年下は嫌よ。」


あさ「年下でもいい人はいるのよ?かすみおねーちゃん。」


思わず一人一人に突っ込みを入れてしまうあさぎ。


か・な「とにかく、乱馬君ってどんな人なの?」


二人が問うと早雲は『はっはっはっ』と笑い


早「知らん。(←真顔)」


あさ「知らないの?ι」


早「会ったことないもん。」


もんってこの親父は〜(怒)


?「放せバカ野郎!」


ドスドスと騒がしい玄関。


か「お客さまだわ。」


かすみの一言になぎさは嬉しそうに玄関に向かう。


な「きゃー!乱馬君よきっと!」


それに早雲も続いた。


早「待ちかねたぞ早乙女君!」


かすみとあかねも立ち上がりとにかく出迎えようとする。


か(年上だと良いんだけど。)


あか(あーあ。やんなっちゃう。)


あさ「あかね、いい加減にしなさい。私達だけが嫌がってるんじゃないかもしれないのよ?乱馬君の気持ちも考えなさい。」


不貞腐れたようなあかねに、あさぎが諭すように言うとあかねは『だぁって〜』と頬を膨らませた。


あか「大体、あさぎは嫌じゃないの!?」


あさ「そりゃ結婚なら好きな人がいいよ。だけどあかねやかすみおねーちゃんやなぎさおねーちゃんの態度は乱馬君に失礼よ。そりゃ理不尽な話だけど、会ったこともない人についてアレコレ言うのは酷いと思う。」


あさぎは案外、第3者として見ることのできる人間だ。他の姉妹に比べると達観している気がする。


すると先にドタドタと玄関に向かっていた2人の足音が何故か帰ってきた。


………何故か人を担いだ大きなパンダと共に。


?「ほら、怯えてるじゃねーか!」


肩に担がれていた人がそう言うとパンダは歩みを止める。


か「これがお父さんの友達?」


かすみの質問にプルプルと首を横に振る早雲。汗だくで混乱しているようだ。


な「友達でなかったら何でパンダが来るのよ!不自然じゃない!」


尤もなことを言うなぎさ。その横であさぎとあかねは呆然としている。


するとパンダは早雲の前に担がれていた人を降ろす。


早雲はじっと見て、ハッとしたように恐る恐る問うた。


早「君、もしや…」


すると目の前の子はポッと頬を染めて恥ずかしそうに目を伏せる。


乱「早乙女 乱馬です。すみません。」


早「そうか君が!」


ガッシィと乱馬の肩を掴む早雲。その後ろでなぎさは『きゃー!可愛いじゃない!』とはしゃぐ。


早「いやーよー来てくれた!」


ガバッと抱き締める早雲。


グニュ


早・乱「…………」


柔らかな感触にバッと身体を放し早雲は恐ろしいものを見るように乱馬を見詰めた。


な「んー?」


かすみとなぎさが改めて乱馬を見詰め、男にはない胸の膨らみをなぎさが躊躇なく突っついた。


乱「ちょっと、止めてください…」


あさ「女の子よね?」


バタン


あさ「Σきゃー!ごめんお父さんしっかりしてー!?ι」


あさぎの一言で早雲は倒れてしまった。
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