ハリー・ポッターの部屋
□英雄 再び母校へ
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ホグワーツに入学して二年目の夏。休暇を終えて、二年に進級したジェームズ・ポッターは大広間で新入生を待ってる間、何故かずっと不機嫌だった。
そんな彼をシリウス・ブラックとリーマス・ルーピン、ピーター・ペティグリューがヒソヒソと話していた。
リー「シリウス、ジェームズはどうしたんだい?汽車の中でも近寄るなオーラが出てたけど。」
シリ「いや、俺も知らん。リーマスにも話してないのかよ。」
リー「何も聞いてないよ。ピーターは?」
ピー「ふ、二人に話してないのに、ぼ、僕に話すわけないじゃないか。」
シリ「リリーはどうだ?何か聞いてるか?」
シリウスは隣の赤毛でエメラルドの瞳を持った少女、リリー・エバンスに聞く。
リリ「いいえ。いつもうるさいくらい話し掛けてくるのに汽車の中でも全く話してはいないわ。」
ピー「リリーに話し掛けないなんて…ι」
シリ「き、気持ち悪い…ιι」
リリーに想いを寄せているジェームズが今日は全く話してはいないらしい。その事実は何よりも四人にとって気持ちの悪いものである。
ガコンと大広間の扉が開かれ、マクゴナガルに引率された新入生が入ってきた。そして、ダンブルドアの挨拶と組分け帽子の歌が終わると恒例の儀式、寮の組分けが始まる。
ジェームズはそれを眺めながらも頭の中は夏休みの時の姉の態度が占めていた。
ジェ(折角の夏休みに姉さん、全然部屋から出てきてくれなかったな。仕事が忙しいって言ったって可愛い弟ともう少し話してくれたっていいのに!)
どうやら夏休みに8歳上の姉に構って貰えず、拗ねているようである。
そんな中、新入生の組分けが無事に終わるとダンブルドアがまたしても立ち上がり連絡事項を伝えた。
ダン「今年も新しい仲間を迎えられ嬉しく思う。さて、新入生諸君にお知らせじゃ。禁じられた森には決して入ってはならない。もし入れば恐ろしい目に遭い、最悪、死を招く事になるじゃろう。」
ジェ(大体、姉さんは英雄なんだから簡単な仕事なんて他に回しちゃえばいいんだ!ドラコ・マルフォイなんて喜んで引き受けてくれるだろうに!)
ダン「さて、そして誠に残念ながら今年は闇の魔術に対する防衛術の先生が退職なされた。なんでも夏休み中にぎっくり腰になってのぅ。ワシも油断しては彼の二の舞になってしまうのぅ。」
去年までの闇の魔術に対する防衛術の講師はかなりの高齢。それよりも年上であるダンブルドアが元気なので忘れがちだが、年齢的にそろそろ教職の分野を引退してもいい歳であった。
ダン「そこで古い友人に声をかけたところ快く引き受けてくれた者がおった。」
ジェ(そうさ!僕の姉さんは三年前にあの闇の帝王を打ち破った英雄…)
ダン「ハリー・ポッターである!」
ジェ「Σなっ!?ιι」
それにジェームズはガコンッと椅子を蹴り倒したが、その音よりハリー・ポッターの名前が出た瞬間の大広間の歓声の方が勝る。