その他
□鬼灯の冷徹
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シロ「あっ、白澤様だ!」
衆合地獄の甘味屋でお団子を食べていたシロと鬼灯。その時、シロが白澤を見付けたようである。
鬼灯「? 見当たりませんが?」
しかし鬼灯には白澤の姿が確認出来ず首を傾げる。
シロ「いるよ!だってスッゴク薬くさいもん。あとメッチャ色んな雌くさい!」
犬なだけに嗅覚の鋭いシロが言うなら間違いなくいるのだろう。
鬼灯「………あの偶蹄類が。また妲紀さんに搾り取られに来たんですかね。」
眉間に皺を寄せる鬼灯の機嫌は見るからに下がっている。
檎「おやおや?鬼灯さんこちらにいらしたんで?」
そこに不思議そうに近寄ってきた野干の檎。
鬼灯「私がここにいるのが不思議ですか?」
衆合地獄にはたびたび来ているのだ。別に不思議な事ではないと思われるが?
檎「いやいやアンタがここにいるのは別に不思議じゃあ無いですよ?ただあっちに白澤様がいましてね?そこで何か知らんのですがケンカしてるって聞いたもんでして。」
檎の話に驚く。
シロ「えっ!白澤様がケンカ!?鬼灯様がここにいるのに鬼灯様以外と!?」
鬼灯「ちょっとシロさん?何でアイツがケンカ=私となんですか?」
心底、不愉快だという顔だが、基本あの色欲の神……ゲフン。知識の神は、この最凶の……ゴホン。才色兼備の地獄の鬼女以外とケンカなどしないのが彼らを知る者の常識だろう。
檎「ワシも関わりたくなくて近寄らなくてのぅ。でも、白澤様のケンカ相手は女の声じゃったぞ?だからまた鬼灯さんとやりおうとると思ったんじゃが…」
煙管を吹かし、やれやれというように頭を振る。何だかんだと二人のケンカは周りにもそれなりの迷惑を掛けてくれやがるので出来るだけ近寄らないのが鉄則だ。
彼らを止められるとしたらお香位だろうか。