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□赤ずきん?被って。
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むかーしむかし。ニット帽を被った赤ずきんちゃんがおりました。
「よし、ちょつと待て。突っ込みたいところ満載なのだがどっから突っ込めばいいんだ?」
変なこと言いました?
「ニット帽被ってる時点でそれもう赤ずきんじゃねぇし、大体天の声が俺に聞こえて会話してるっておかしいし、」
赤ずきんちゃんはお母さんに頼まれ病気のおばあさんのもとへおつかいをしに行くのでした。
「話をそらすな!?」
いちいちうるさいですよ。襲うぞ?そしてここで赤ずきんちゃんは襲われてしまいました。って言うぞ?
「あーおばあさんの家に行かなきゃなー。」
•••赤ずきんちゃんはおばあさんの家がある山の上へと歩いていました。のんびりのんびり。
•••で、早く出てきてくださいよ狼さん。
「そこで呼ぶなよ!今からかっこよく出ていこうと思ってたのによ!」
人っていう文字を三回書いて飲み込みましたか?
「そんなのもうやった•••はっ!」
簡単。
「うるせーよ。そこのニットずきんをお花畑に連れていきゃあいいんだろ。」
赤ずきんですよ。赤ずきん。
狼は赤ずきんちゃんに近づいていき、話しかけます。
「そこのニット被った坊や。どこに行くんだ?」
「おばあさんの家におつかいにな。」
「それならそこにお花畑があるからそこのお花を持っていってあげなよ。きっとおばあさんも喜ぶよ?」
「悪いけど早く行って早く帰りたいんでな。」
「?なんか用事でもあるのか?」
「眠いんでな。」
だそうです。
「いやいや眠いってだけでシナリオを壊すなよ!頼むからお花畑行ってくれよ!」
「三徹帰りなんだよ。」
「何してたんだ!?」
「仕事」
「偉いな!」
「じゃ、そういうことで。」
赤ずきんちゃんは眠そうな目をして行ってしまいました。
どーすんですか狼さん。
「どうすんのかって•••とりあえず先回りする。」
できるんならさっきのくだりいらなくないですか?
「シナリオにあっんだからしょうがねぇだろ。」
•••狼がメタ発言をしたところで場所変わっておばあさんの家です。
先に着いたのは狼•••ではなく赤ずきんちゃん。狼は間に合わなかったみたいです。赤ずきんちゃんは息をきらしています。
「さすがに坂ダッシュはきつかった•••」
走ってきたみたいです。
「おばあさん、俺だよ。」
「誰だい?」
「俺だよ俺」
「最近流行りのオレオレ詐欺というやつかい!?私をバカにするんじゃないよ。帰れ!塩まくわよ!!」
「いや俺だって、ニット被った•••赤ずきん?」
「おや赤ずきんかい。」
「通じた!?」
「それならそうと早く言ってくれないと。はいはい今開けますよ。」
おばあさんの家のドアが開いておばあさんが出てきます。
「•••誰?」
「なんてこと言うんだいおばあさんだよ。」
「いや俺のおばあさん狼じゃないんで。つーかお前さっきの狼じゃねぇのか?」
狼さんここで登場。やっぱり先回りしてたみたいです。
「このニットがいきなり走り出すから俺まで走らされたんだよ!先回りしたのもギリギリだったし!」
「それよりおばあさんはどこだ!もしかしてもう•••」
「はっ!きまってんだろおばあさんはもう俺の•••家でぐっすり寝てんだよ!」
はい?
「お前の家に居るのか?」
「あぁ」
「ならいい。」
いいんですか!?狼もなにしてるんですか!そこはおばあさんを食べないと!
「だって骨と皮ばっかりでマズそうだったし、おばあさんいい人だったし•••」
何かほのぼのエピソードが生まれたみたいです。
「とりあえずニットずきんから食ってやろうと思ってな。ジュル•••うまそだな•••」
狼は舌なめずりをすると赤ずきんちゃんに飛びかかります。•••変態っぽい。
「いちいちうるせぇな天の声!」
そんなこと言ってる間に赤ずきんちゃん逃走。
「えっあ、おい!待て!」
「坂ダッシュするんじゃなかった•••」
赤ずきんちゃんは足が痛いみたいです。でも走ります。坂をガンガン下ります。