タイトルなんてのはテメーで好きに付けろ
□今までモテなかった奴がイメチェンしたら急にモテモテになる事ってあるよね
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朝、カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めた。
紫苑『…何時だ?』
目を擦りながらスマホの画面を確認すると、時刻は午前9時……休日は大抵昼過ぎまで寝ているのに珍しい。
紫苑『昨日あんな事あったからか?』
ふと気になってベッドから降り、普段は趣味兼副業で使っている部屋のドアをそっと開く。
紫苑(……やっぱ夢じゃなかったか)
其処には鼾をかいて寝ている男…銀さんが居た。
もしかして昨日の事は夢だったんじゃないかと思ったが、やはり夢ではなかった。
改めて、現実なんだなと思う。
昨日あんな事を言ったものの、やはり漫画やアニメのキャラが現実世界にトリップするというのが信じ難くて確認しにきたが、やはり現実だった。
別に構わねェけど。
銀時「ん…ンん?」
ジーっと見ていたからか、銀さんも起きたようだ。
銀時「よぉ、おはようさん…」
紫苑『おはよー。朝メシ作るけどなんかリクエストあるか?』
銀時「あ"〜……なんか甘ェの」
欠伸混じりで答える銀さん。
紫苑(そういやスッゲー甘党だって書いてたなァ……)
昨日見たWiki○diaに書いていた事を思い出す。
確か銀さんは大の甘党で、白米に小豆を山程乗せた宇治金時丼なる物を食っているらしい。
まぁ餅米を餡子でコーティングしたおはぎが美味いのだから白米に小豆でもイケるかもしれないが……。
紫苑『…まぁ作るか』
小豆は無いので宇治金時丼は作れないが、リクエストの甘い物を何か作るとしよう。
まだ布団から起きれなさそうな銀さんを残してキッチンへと向かった。
*******
紫苑『おい、服買いに行くぞ』
あの後少ししてから起きてきた銀さんと二人で朝メシを食ってる時に言った。
因みにメシはフレンチトーストにサラダとスクランブルエッグ、蜂蜜入りのロイヤルミルクティーを作った。
昨日から始まったこの同居生活……突然決まった事なので、当然生活用品は俺一人分しかこの家には無い。
布団は以前友人が泊まりに来た時に買った物があるが、着替えや歯ブラシなどは無い。
シャンプーやリンスなど一緒に使える物はいいが、歯ブラシや着替え…とくに下着など個人の物は用意しないと困る。
とりあえず昨日は自分の大きめのTシャツと下はパンツ(いちご柄に吹いた)で寝てもらったが、いつまでも同じ下着を穿いてもらっているワケにもいかない。
流石にパンツはサイズが合わなくて貸せないし、かと言ってフルチンで居られるのもイヤだし、さっさと銀さん用の物を用意しないといけない。
銀時「服ぅ?いいってそんなん、俺金ねーし」
紫苑『ンなもん俺が出すよ』
銀時「キャー!男前!…と言いてェとこだが、住む所もメシも世話ンなってんのに服まで用意して貰うのは流石に悪いわ」
紫苑『きったねェ服と下着のまんまでいられる方がもっと悪いわ。それに服と下着以外にも歯ブラシとか男なら髭剃りとかいるだろ?』
銀時「まぁそうだな。じゃあワリィけど頼むわ」
紫苑『おう、メシ食ったら出掛けるぞ』
時刻は既に10時過ぎ……さっさと食って支度しなければ。
そう思い大きめに切ったフレンチトーストを頬張った。
紫苑(あとでコンビニで金下ろしとこ……)