タイトルなんてのはテメーで好きに付けろ

□お母さん帰ってくるまでいい子でお留守番してるんだよ?
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紫苑『ただいま〜』


玄関で靴を脱ぎリビングへ入るとめちゃくちゃいい匂いがした。


紫苑(なんだ?なんかスゲェ美味そうな匂い……)


銀時「ん?お〜、お帰り。遅かったな」


鼻をヒクヒクさせているとキッチンから銀さんが顔を出した。
手にはお玉を持っている。


紫苑『ただいま。え、なに?銀さんメシ作ってンの?』


銀時「ああ。ワリィな、冷蔵庫の中のモン勝手に使わせてもらったわ」


紫苑『それは構わねェけど…。つーか銀さん、料理とか出来たん?』


銀時「バカにすんなよ。こー見えて銀さん料理はそこそこ得意だよ〜」


紫苑『マジか、意外だわ……』


銀時「もうすぐ魚焼けっから、座って待ってろよ。箸だけ持ってってくれ」


言われた通り渡された箸を並べてあとは座って待つ。
銀さんの分だけ作って自分は風呂に直行しようと思ってたが、鼻腔内に広がる美味そうな匂いに空腹感を刺激される。


風呂なんか後回しだ。
ありがたく銀さんのメシを戴こう。


紫苑(こんな風に誰かにメシ作ってもらうとか、初めてだな……)


友人達が家に泊まりに来る時や逆に泊まりに行く時は大抵俺が作っているから、こうやって誰かにメシを作ってもらうのは初だ。


紫苑(ガキの頃はそんなんなかったもんなァ……)


ガキの頃の記憶に、正直いい思い出はない。
ふと思い出して軽く気分が落ちてると、料理の皿を持った銀さんがキッチンから出てきた。


銀時「お待ちどーさん」


テーブルに並べられた料理を見ると、アジの塩焼きに小松菜の煮浸しと肉じゃが、そして久しぶりに見る白米と豆腐のみそ汁というザ・日本食って感じのメシ。


紫苑『スゲー!こんな日本食って感じのメシひっさびさに見たわ!』


普段つまみ系しか作らないうえに定食屋なども偶にしか行かないので、こんな家庭的な日本食メシはかなり久しぶりだ。


銀時「そんな大したモンじゃねーけど、味は保証するぞ」


見るからに美味そうで口内に唾が溜まる。
早く食おう。


紫苑・銀時『「いただきます」』


二人で手を合わせる。
俺は早速好物のアジに箸を付けた。
小さく身を割いて口に入れると、アジの旨味が口に広がる。
いつもは叩いてなめろうにする事が多いが、焼きもスゲェ美味い。


次に肉じゃがを口にすると、よく味が染みていた。
ジャガイモが口の中で溶ける。
煮浸しも肉じゃがと同様に出汁が染みていて酒にもよく合いそうだ。
余ったら晩酌する時のつまみにしよう。


どれも少し濃い目の味付けが俺好みで米が進む。
みそ汁の出汁は鰹節だろうか?
疲れた身体に温かい汁物が染み渡る。


紫苑『あ"〜、マジで美味ェ!!』


銀時「当然だろ。銀さんがお前の為に作ったメシだぜ?」


紫苑『ありがとな。銀さん、俺ン家に料理人として就職しねーか?』


銀時「それイイなw 万事屋よりよっぽどよさそーだわw」


そんな冗談を言いながら次々と料理を口に運ぶ。
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