ペット

□secret:LOG 4
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“某月某日


今日から家庭教師の始まりです。どんな先生かなぁってドキドキしてたけど、数学の先生以外優しそうで良かった!
ただ数学の赤井先生だけはちょっと苦手…。なんか目つき悪いしあんまり喋ってくれないし…。仲良くなれるのかな…。




某月某日


意地悪なお姉さんは相変わらずだけど、最近は家庭教師の先生がいてくれるから毎日が楽しい。やっぱり誰かとお話ししないとつまんないもん。家庭教師をパパに頼んでくれたお姉ちゃんに感謝しなきゃ。



某月某日


ひとりで出歩くと意地悪なお姉さんに叩かれるから、一緒にお姉ちゃんの部屋に行ってもいい?ってダメもとで赤井先生にお願いしたらあっさりOKしてくれてちょっとびっくりした。
久しぶりのお姉ちゃんはこの間よりも少しだけ痩せてた。発作が苦しくてあんまりご飯が食べられないみたい…。ちょっとだけお話してたら、お姉ちゃんがそこのタンス開けてみてって言って…開けてみたらとっても綺麗なネックレスが入ってたの!お誕生日プレゼントだって!すごく嬉しかった!大切にする!
そういえばなんだかお姉ちゃんが赤井先生によろしくお願いしますって真剣な顔で言ってたけど何のことだったんだろう?私の勉強のことかな?



某月某日


英語のジョディ先生と沢山お話ししたりして、楽しかった。意地悪なお姉さんとか、パパのこといっぱい話したから少しだけすっきりした!
ジョディ先生が今日話したことは内緒よ、だって。意地悪なお姉さんにまた叩かれたら大変だもん。誰にも言わない!



某月某日


社会のキャメル先生は見た目怖いけど話したらとっても優しい人だったの!そういえばキャメル先生みたいなあのサングラスの人、最近こないなぁ…。ぼそってそのことキャメル先生に言ったらなんだか驚いた顔をしてた。どうしたんだろう?



某月某日


赤井先生に綺麗な女の人のことと、長髪の男の人のことと、サングラスの人のこと、いっぱい聞かれた。物騒な話をしてた、あの人たちなあに?って聞いたら赤井先生は昔の友達だって言ってた。先生も昔の友達のことが心配なのかな。拳銃とか友達が話してたらびっくりするもんね…。



某月某日


今日は家庭教師はお休み。何もない一日って本当に暇だ…。窓からしか見られない景色はとっても狭くてつまんない。昔よく行った花畑、久しぶりにいきたいな…。



某月某日


家庭教師が終わって、先生たちが帰った後、急に意地悪なお姉さんが部屋に入ってきた…。どうして鍵しめるの忘れてたんだろう。
何もしてないのにすっごく意地悪なお姉さんは怒ってて、何回も叩かれた。叩かれたところがすごく痛くて苦しい。あの女の人の足音、とっても大きくてとっても怖い…。



某月某日


赤井先生が私の怪我に気づいてくれて、手当てしてくれた。あの人、気づかれないように服で隠れるところばっかり叩いていたのに、赤井先生だけは気づいてくれた。
赤井先生、実は優しい…のかな?怖い先生だと思っていたけどそうでもないみたい。



某月某日


久しぶりに綺麗な女の人がお庭を歩いてた。部屋から出られないから何の話をしてるのかちっともわからないけど…また危ない話をしているんだろうな。



某月某日


赤井先生って下の名前、秀一っていうんだって。賢そうな名前ですねって言ったらお前もそうならないとだめだぞって鼻で笑われた…。悔しい。確かに数学苦手だけど…。だけど最近赤井先生と色んな話ができるようになって、ちょっと嬉しいな。



某月某日


お外に出られないから暇だって秀一先生に漏らしたら筋トレさせられた…。筋肉痛で腕がだるい…死んじゃいそう…。
でも何もなくて、お外にも出られなくて、怯えて過ごしてるよりはずっと楽しい。今日も秀一先生とお姉ちゃんに会いに行った。お姉ちゃんすごく嬉しそうに笑ってて安心した!



某月某日


家庭教師が無くて、お部屋でぼーっとしてたらお姉ちゃんがお部屋に来てくれたの!今日は体調がいいから、だって。顔色もそんなに悪くなくてほっとした。
お姉ちゃん、急に美奈、赤井さんのこと好きでしょ?って聞いてくるからびっくりしちゃった。好き…。好きってどんなのかよく分からないって言ったらまた楽しそうに笑ってた。
うーん…秀一先生のこと…嫌いじゃないけど。好き…なのかな?



某月某日


お姉ちゃんが変なこと言うからなんだかどうやって秀一先生に接したらいいのか分かんなくなっちゃった。秀一先生は相変わらず黙々と授業進めて、たまに面白い日本の話をしてくれるけど…。早く会いたいって思う。これは好きってことなのかな。



某月某日


Fireworks、ハナビって言うんだって。ジョディ先生が教えてくれたの。一度でいいから見てみたいな。
そう言えば秀一先生に下着つけろって怒られた…。先生のへんたい。だって熱いし苦しいしつけたくないんだもん…。垂れるほどないもん!って言ったらそういう問題じゃないって怒られた。だったらどういう問題なの?



某月某日


先生たちが来るのは嬉しいし、楽しいんだけど…ちょっと寂しくなる。先生たちが帰っちゃったら、またひとりぼっちだもん…。夜が来るのが恨めしいよ…。



某月某日


夏季休暇でしばらく先生たちはこないみたい。あの女の人、部屋に来ないかすごく不安…。
夏季休暇なんていらないから早く先生たちに会いたい。お部屋の中に居たら、つまらなくて今にもあの女の人がドアを開けてきそうで、とても怖いんだもん…。
秀一先生、助けて。先生みたいに強かったらこんなことにはならなかったのかなぁ。

このまま一生、こうして怯えて暮らしていくのかな。いつかこれから解放される日が来るのかな。

私もいつか、強くなれるのかな。ママ、お姉ちゃん、秀一先生…。

またあの人の足音、近づいてきた。
今日はぶたれませんように。先生、はやく帰ってきてね”





160217

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